カリフォルニア州パロアルト発--ウェブ上のブログやフォーラム、チャットルームなどでの振る舞いよりも、仮想世界でのほうが人は行儀がいいのだろうか?
仮想世界を擁護する人々は「そうだ」と言う。ただし、まだ証明はできていない。
「憎悪の質が、ブログやTwitter(など)ではまったく違っている。(中略)そこではきわめて狭量になる場合がある」と、カリフォルニア大学バークレー校のCenter for Entrepreneurship and Technology(CET)で客員研究員を務めるJaron Lanier氏は、米国時間8月1日、当地で開催されているAlwaysOn Network主催の技術カンファレンス「Stanford Summit 2007」で語った。
「『Second Life』というのは劇場のようなもので、中央集約型といえる。人々がささいな個人間の厄介ごとで互いにどうしようもなくなるような状況に陥るといったことは、私は見聞きしていない。ただ、これは確証があるわけではない」とLanier氏は言う
Lanier氏の意見では、仮想世界の人々は、仮想世界の財産を例にとってみても、経済的に自分と結びつけられることから、「卑劣な行いをすると失うもののほうが大きい」ので、そうばかな振る舞いはしなくなるという。また、アバターの形であっても、相手を目の前に見ていることで感情に訴えられる面があるとも、Lanier氏は考察している。
確かに、仮想世界に関するテクノロジのパイオニアで、「バーチャルリアリティ」という造語の生みの親であるLanier氏は、自分の見方が仮想世界よりになっていることは認めている。1980年代、同氏は仮想世界の製品を販売する初の企業VPL Researchを設立し、1999年にはこの特許をSun Microsystemsに売却した。Lanier氏がいちばん最近興した企業である、アニメーションソフトウェア会社のEyematic InterfacesはGoogleに買収された。さらに同氏は、人気の仮想世界Second Lifeを運営するLinden Labのアドバイザーも務めている。
カンファレンス会場のスタンフォード大学で、Lanier氏が司会を務めたパネルディスカッションには、Linden Labの最高経営責任者(CEO)Philip Rosedale氏、IBMのバイスプレジデント、Irving Wladawsky-Berger氏、Sun Microsystemsのゲーム部門最高責任者Chris Melissinos氏などが顔をそろえた。確かに、パネリストはいずれも、インターネットユーザー、企業、広告主などの間で仮想世界がより大きく羽ばたくことで利益を得る人々なので、実際上の経済的な牽引役になり得る人々だ。インターネットのフォーラムへの匿名の投稿といったものとは違い、より礼儀正しい人間関係をはぐくむような仮想世界の無形の利点が認識されるようになれば、これが仮想世界の成長の大きな要因になるだろうと、パネリストたちは論ずる。
「われわれはこれを学んできたのだ。(Second Lifeの)フォーラムではいさかいを起こしていても、その人たちがSecond Lifeの中では互いに礼儀正しくしている」とRosedale氏が語った。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」