YouTubeが、同サイトに素材の海賊版が投稿されるのを防止するシステムを9月に立ち上げる。Googleの弁護士が米国時間7月27日に法廷で証言した。
YouTubeを10月に買収したGoogleは、デジタルビデオフィンガープリントのライブラリ構築を計画している。GoogleとYouTubeの代理人を務める弁護士の1人、Philip Beck氏は、このコードを使えばYouTubeにアップロードされる映像をコンピュータシステムがスクリーニングできるようになる、と述べた。Beck氏はさらに、映像の著作権の有無をチェックするスクリーニングプロセスには数分しかかからない、とも加えた。
Google、Viacom、そして昨年1年間GoogleとYouTubeを提訴してきた著作権所有者の代表らは、予定されていた公聴会のためニューヨーク南部地区連邦地方裁判所に出廷した。
Beck氏の陳述は、Google関係者として初めてフィルタリングシステムの具体的な投入日に言及したもので、重要な意味がある。同社はYouTubeでの著作権保護を約束しながらこれを実行に移さず、多数のメディア関係幹部をいら立たせていた。専門家らは素早い反応をみせ、YouTubeのライバルの多くは既にコンテンツのスクリーニングを実施していると述べている。
しかし、Beck氏の陳述に対するコメントを求められたGoogleは、再びあいまいな回答をしている。これについては、ハリウッドの受けが良くないかもしれない。
「秋にはテストを完了して技術を投入したい」とGoogleの広報担当は電子メールで述べている。「しかし、これはわれわれが着手してきたなかで最も技術的に複雑な作業であり、最先端の技術にはつきものだが具体的な投入日を予想するのは難しい」(同広報担当者)
公聴会では、Proskauer Roseの弁護士Louis Solomon氏が、法律事務所Bernstein Litowitzの弁護士らとともに集団訴訟の暫定代理人に任命された。Solomon氏は、Googleのフィルタリングシステムではこれまでの侵害によって引き起こされた大規模な損害にほとんど効果がないことを指摘した。
欧州の複数のスポーツリーグを含む代表らは、5月に提起した集団訴訟のなかで原告に多額の損害賠償金支払いを求めている。
Solomon氏は、「Googleがこれ(システム)を本当に用意しても時期的に遅すぎるのは言うまでもない。だが、Googleには他社に追従してコンテンツプロバイダー全員を平等に扱うよう呼びかけている。広告の売上をYouTubeと分配することに同意したお気に入りの数社だけでなくだ」と語っている。
両者の弁護士は今回の裁判手続きのなかで、公判前の証拠開示手続きに1年以上かかる可能性もある、と予想している。これはつまり、YouTubeの著作権問題が2008年後半以降にずれ込む可能性もあることを意味している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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