フランスのウェブモニタリング企業XiTi Monitorによると、Firefoxの市場シェアが、欧州32カ国において過去4カ月の間に平均3.1%拡大したという。
Firefoxは最初のリリース以来、支配的なシェアを有するMicrosoftのブラウザ「Internet Explorer」から、着実に市場シェア奪ってきた。2006年7月第1週には欧州で21.1%だったFirefoxのシェアは、2007年7月第1週には27.8%に達したと、XiTi Monitorは述べる。
Mozilla Europeの社長Tristan Nitot氏は「月曜日の朝から仕事に取り掛かるというのはよいことだ。われわれの目標は消費者による選択を促進することであり、引き続き市場シェアを伸ばすことを期待している。独占は革新を阻害する」と述べた。
Microsoftはいまだ、欧州のブラウザ市場で66.5%のシェアを握っているが、Firefoxの人気が非常に高まっている国(とくに東欧州諸国)もある。スロベニアでは、Firefoxが市場シェアの47.9%を握り、ポーランド、ハンガリー、クロアチアでも39%以上を占めている。
Nitot氏によると、スロベニアやポーランドなどにおけるFirefox躍進の大きな要因は、当地のサポートネットワークにあるのだという。
同氏は「非常に活発なコミュニティがあり、フォーラムによるオンラインサポートを積極的に行っている。また、何かトラブルが起こるとコミュニティから人がやってきて、問題になり得る部分を解決する」と述べた。
Nitot氏は、MicrosoftはFirefoxの市場シェア拡大を無視するべきでないと述べる。
同氏は「FirefoxはMicrosoftの懸念材料になるべきだと思う。Microsoftを仕事に引き戻し、IEの改善を進めさせる刺激になろうと考えている。すべての人のウェブエクスペリエンスが向上することを望んでいる」と述べた。
同氏によると、Microsoftがホスティングアプリケーションの開発をより重点的な業務に変えていくうえでも、ブラウザのマーケットシェア減少による影響の広がりに関心を持つべきだという。Microsoftの最高経営責任者(CEO)Steve Ballmer氏が先週、ウェブベースアプリケーションに移行する意向を明らかにしている。
Nitot氏によるとMicrosoftは現在、ソフトウェア企業からウェブサービス企業への転換を試みる中で、複雑な状況に直面しているという。
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