ソニー研究所発、技術指向のネット子会社2社設立--まずは「動画」「無線」から

瀬井裕子(編集部)2007年07月10日 21時42分

 ソネットエンタテインメントは7月10日、動画および無線事業を行う子会社を7月3日付で2社設立したと発表した。関連会社となるソネットキャピタルパートナーズの投資事業の一環。ソニーの研究所の技術を使い、将来性を見込めると判断した事業を会社化した。

写真1枚が3次元動画になる「モーションポートレート」

 7月3日付で設立したのは「モーションポートレート」と「クウジット」。モーションポートレートの中核となるのは、1枚の顔写真から目や輪郭などの情報を認識し、3次元の動画像を自動生成する技術。マウスや音声などの簡単な操作にリアルタイムに反応して、インタラクティブに動画像を作成できる。携帯電話でも動作する。

 ゲーム会社や携帯電話の壁紙、似顔絵アバター付のメール、「着かお」など、エンタテインメント関連での利用方法を提案していくという。

070710_motion.jpg1枚の画像から、3次元でさまざまな表情の動画像を生成できる。マウスの動きにもインタラクティブに対応する。

無線LAN電波で現在位置認識

 もう一つの関連子会社クウジットは、ワイヤレスLANの電波情報を利用して現在位置を推定する技術「PlaceEngine」を核とする。現在位置の推定にワイヤレスLANの電波情報を利用するため、位置認識のスキャンは短時間で行うことができ、GPSを利用するよりも位置認識が速いという。また、ビルの何階にいるかも推定できるとしている。

 PlaceEngineのサイトでは、利用者のPCにインストールされた専用のソフトウェアを通じて各アクセスポイントの緯度経度や住所などの位置情報を登録する。現在は首都圏や国内主要都市のデータが蓄積されており、登録の拡大に伴って位置測定可能なエリアが拡大していく仕組み。

 7月10日には、この技術がNTTレゾナントが運営する「gooラボ」のエリア情報検索の実証実験に採用された。Wi-Fiの電波を受信したパソコンについて、現在位置を地図上に表示させる。この実験により、利用者のニーズや求められる機能について実験し、地図サービスの新たな利用形態を探っていくという。

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