シックス・アパートは6月5日、サーバ用ブログソフト「Movable Type」の新バージョンを公開した。ユーザーインターフェースを一新して画像のアップロードなどをしやすくしたほか、ウェブサイト全体を管理できる機能を加え、企業サイトでも利用しやすいようにした。まずはベータ版として提供し、ユーザーから寄せられた不具合などを修正したうえで7月に製品版として販売する。
新バージョンとなる「Movable Type 4日本語版」は、シックス・アパートが日本法人を2003年12月に設立してから初めての大規模バージョンアップとなる。日本におけるMovable Typeのダウンロード数は「個人が約50万件、法人は数万件」(シックス・アパート代表取締役社長の関信浩氏)という。
Movable Type 4ではサーバへのインストールをより簡単にしたほか、管理画面のレイアウトがそのまま公開される「WYSIWYG機能」を強化した。これは同社が初心者向けブログサービス「VOX」向けにもともと開発したもので、これをMovable Typeにも導入した。
また、企業によってはブログを複数運営しているところもあることから、複数のブログを一括管理できるようにし、トラックバック、コメントなどをまとめて閲覧、削除できるようにした。これにより、スパムトラックバックやスパムコメントへの対応を簡単にしている。
このほか、ブログではないウェブサイトのページを作成、管理できる機能も追加した。これにより、会社案内や地図などはウェブページで、お知らせなどはブログで作成するといったことが可能になる。WYSIWYG機能を使うことで、HTMLタグなどの知識がないユーザーでも簡単にサイトを構築できるようになる。
もう1つの機能として、自分のブログによくコメントを書いてくれる読者に、ブログの更新権限を与えるコミュニティ機能も搭載した。これに伴い、オープン認証システム「Open ID」に標準対応した。
「コミュニティ機能はVOXなど当社のサービス向けに開発してきた。今回はそういったサービスを自分たちで作りたいという人向けの製品として提供する。Movable Typeは自分たちでサイトやサービスを作りたい人向けのウェブ構築ツールとして進化させていく」(関氏)
価格は法人利用の場合、基本ライセンスパック(1サーバ、5ユーザー)が5万2500円から、バージョンアップ基本ライセンス(同)が2万1000円から、技術サポート料が年間1万500円からとなる。個人利用の場合は引き続き無料で提供する。製品版の公開は7月18日の予定だ。なお、Movable Type 3日本語版のサポートは2008年7月末日で終了する。
また、米Six ApartはMovable Typeの機能を一部制限した上でオープンソースとする考えで、「2007年第3四半期には何らかの発表ができるのではないか」(関氏)としている。オープンソースのブログソフトとしてはWordPressがあり、米国や日本で人気を集めていることから、これに対抗する動きと見られる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」