The Smoking Gunが入手した訴状によると、ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港の燃料タンクとガスパイプラインの爆破テロを企てたとされる4人の容疑者のうちの1人は、航空写真を得る手段として「Google Earth」の利用を提案していたという。
米国政府が6月2日、利用客の多い同空港の燃料タンクとガスパイプラインを狙ったテロを企てたとして4人の容疑者を刑事告発した(うち1人はまだ身柄を拘束されていない)と発表すると、「JFKテロ計画」の見出しが各種報道をにぎわした。問題の訴状には、5月11日のガイアナにおける会合で、4人の被告のうちの1人であるAbdul Kadir容疑者が、自分たちの監視カメラでは「計画実施に十分な詳細情報が得られないため、ニューヨークに戻った後、Google Earthソフトウェアを利用してより詳細なJFKの画像を得るように指示した」と記述されている。
Googleは4日に声明を発表し、「Google Earthが新たなセキュリティ上のリスクを作り出すとする懸念に多大な注意を払っていた」と述べた。また、同社は積極的に捜査に協力するという。「Googleはセキュリティ問題を非常に深刻に受け止めており、いつでも積極的に公的機関や政府との情報交換に応じるつもりである。われわれの経験から、セキュリティ問題の解決には、関連する政府の専門家らとの話し合いが最も効果的であると思う」(Google声明)。同声明では、(Google Earthに見られる画像のような)画像データを一般公開することによる恩恵はそのリスクに勝り、また政府は必要ならばその公開範囲を制限することができるという米国政府の調査報告を引用している。
Googleの声明では、詳細な航空画像を提供する情報源として、Google Earthは最も人気が高くアクセスしやすいものの1つかもしれないが、唯一の情報源ではないことを指摘している。「Google Earthや『Google Maps』で提供される画像はGoogleに限定されるものではない。商業用の高解像度人工衛星や世界中のあらゆる国の航空画像が、さまざまな情報源から広く提供されている」と声明には記されている。「実際、対象物の上空を飛んだり、近くを車で通ったりすれば誰でも同様の情報を得ることができる。したがってわれわれは、画像を収集して配布する企業や政府機関が特に、セキュリティ問題に対する意識を高めることを期待する」(Google声明)
Googleの主張はもっともだが、Google Earthなどのオンライン衛星地図データベースにより、テロリストらが匿名で簡単にこのような地図を入手できるようになったことは確かである。Google Earthのようなサービスが提供される前は、依頼しなければ衛星画像を得ることは難しかったし、空港などの航空画像が欲しいといえばおそらくは当局の目についたであろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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