GoogleがFeedBurner(本社:イリノイ州シカゴ)を買収し、自社広告エンジン向けにまた新たなメディアを獲得した。両社が米国時間6月1日に明らかにした。FeedBurnerは、ブログなどの各種メディアウェブサイト向けにシンジケーション型コンテンツを配信する企業。
買収条件は明らかにされていないが、2週間前にこのニュースを報じていたTechCrunchは、買収金額を1億ドルと伝えている。
Googleの製品管理担当バイスプレジデントであるSusan Wojcicki氏は報道陣との電話会議で、「この分野は多くの機会を提供してくれるほか、素早い成長も遂げていた」と語っている。
Googleは有料検索広告の巨人であり、「AdWords」オンラインマーケティングシステムを通じて販売する広告配信用に巨大ウェブサイトネットワークを有している。同社はこれまで、紙、ラジオ、テレビといったオフラインに対応する広告の展開も積極的に進めてきた。そして同社は現在、FeedBurnerが有する43万以上のRSSフィードに広告を配信できるほか、FeedBurnerのパブリッシャーが加わることで、「AdSense」のウェブサイトパブリッシャーネットワークを拡張できるようにもなったと、Wojcicki氏は語っている。
同氏は、「Googleの広告主なら、これまではアクセスできなかったフィードにも広告を出せるようになる。また、広告主は(FeedBurnerの)サイトにさらにアクセスできるようになる」と語っている。
Googleは、FeedBurnerの技術と「Google Reader」を統合するための「面白い方法」を考え出すと、Wojcicki氏は語っている。
RSSフィードを利用すると、メディアウェブサイト、ブロガー、およびポッドキャスターが、RSSリーダを通じて自分たちのコンテンツを読者に直接配信できるようになる。FeedBurnerは、パブリッシャーがRSSフィード配信、フィード管理、購読者の利用量追跡、広告配信することを支援する。
Googleに買収されたことで、急速な成長を遂げつつもまだ主流になれていない技術にスポットが当たるようになるのは疑いのないところだ。
4年前にFeedBurnerを創業した同社最高経営責任者(CEO)兼共同創業者のDick Costolo氏は、「この新配信手段に注目を集めるべく一役買えることは間違いない」と語っている。
GoogleによるFeedBurner買収は、RSSや、RSSフィードの広告の幅広い普及へとつながる転換期に過ぎないのかもしれないと、Pheedoの創業者兼マーケティング担当バイスプレジデントであるBill Flitter氏は語る。同社はRSSフィードで広告をフィードするFeedBurnerの競合である。
同氏は、「RSSと、広告のRSS分析には市場がある。フィード内広告を見ると、コンテンツがサイトの外に出て行くときに何らかの売り上げモデルが必要になる。Googleには、FeedBurnerの分析に最適な『Google Analytics』がある」と語っている。
FeedBurnerの買収は、Googleがここ最近続けている買収の中で最新のものだ。同社は5月29日、セキュリティソフトウェアを開発するGreenBorder Technologiesの買収を明らかにしており、30日にはスペインの地学画像ベンダーであるPanoramioの買収を明らかにしている。同社は4月にも、31億ドルを投じてウェブ広告会社のDoubleClickを買収する計画を明らかにしている。
日本ではGMOアドネットワークスがFeedBurnerサービスを提供している。同社は2005年9月に米FeedBurnerと提携し(当時の社名はGMOアフィリエイト)、日本国内における独占販売権を獲得した。
Goolgeによる米FeedBurnerの買収について、GMOアドネットワークスの取締役でFeedBurner統括責任者の村井説人氏は「見方はいろいろあるが、我々は今まで1年以上サービスを継続的に提供してきた。米国とも非常に親密にしている。今後もお客様には不安なくサービスを提供していきたい」とコメントしている。
またしばらく前から、FeedBurnerを利用するとYahoo!ブログ検索にインデックスされないという問題がブロガーの間で取りざたされている。これについて村井氏は「確認はできている。我々としては良い方向に進むように、調査を行って近々正式に発表する予定。利便性を損なわないように対応していきたい」としている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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