ユーザー参加型のニュースアグリゲーターサイト「digg.com」が、HD DVDのデジタル著作権管理(DRM)技術を破るのに使われる可能性がある暗号鍵を含む記事を削除したところ、これに怒ったユーザーたちがサイトに殺到し、この暗号鍵を含むウェブページを紹介するコメントを膨大な回数投稿して、diggがこれらの削除に追われるという事態になった。この抗議はdiggの運営者に届いたようで、しばらくして削除処分は撤回された。
diggのトップページにある、推薦する読者の多いニュース上位10件を表示する「Top 10 in All Topics」というコーナーは、米国時間5月1日の夜、この件に関する記事に占拠されてしまった。これらの記事のコメント欄にはいずれも、暗号鍵を載せたサイトへのリンクや、DRMと海賊行為対策を推進している全米映画協会(MPAA)をあざける言葉が添えられていた。上位10件に入った記事の多くは、4000人を超えるユーザーからの支持を集めていた。
時間は少し戻って5月1日午後1時、diggのブログコーナーに、同社の共同設立者で最高経営責任者(CEO)を務めるJay Adelson氏が投稿したとみられるメッセージが掲載され、最初の対応の理由が次のように説明された。
「この知的財産の所有者たちから、暗号鍵の掲載は知的所有権の侵害に当たるという指摘を受けた。この権利を尊重し法律を順守するため、われわれは当サイトに投稿された暗号鍵を削除した」
同日の夜9時には、同じくdiggの共同設立者であるKevin Rose氏の名で、問題の暗号鍵そのものをタイトルにしたブログが投稿され、5月1日は「われわれにとって苦しい1日だった」と記された。さらに、diggが当初の方針を変え、暗号鍵を含む記事の閲覧をしぶしぶながら認めるに至った事情が、次のように説明されている。
「われわれは電話をしなければならなかった。そして、diggの中断や閉鎖という事態を避けるため、削除要請に従い暗号鍵を含む記事を削除することにした。(中略)しかし、君たちがどう考えているかはっきりした。君たちは、diggが大企業にひざまずくよりも、戦って倒れるさまを見たいのだ。その願いを聞き届けよう。たった今から、われわれはこの暗号鍵を含んだ記事やコメントを削除しないこととし、その結果として何が起ころうともそれに対処していく。もしわれわれが敗れたら、そのあとどうなるかはわからないが、最悪でも、戦って死んだということにはなる」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」