最終更新時刻:2008年7月5日(土) 18時00分

モバイルチャンネル

数百万人を抱える楽天モバイル事業の秘密兵器、「前略プロフ」の秘密

秋葉けんた(マイカ)

2007/04/24 21:01  

 「プロフ」というサービスをご存じだろうか。携帯電話やPCなどに対応した自己紹介ページを作成できるサービスの総称だ。10代を中心に人気を集め、コミュニケーション手段の1つとして使われている。メディアシークが自社モバイルサイトの利用者に対して行った調査によれば、13歳〜15歳の85人のうち90%がプロフの存在を知っているといい、実際にプロフページを持っている人も67%にのぼるという。多くのユーザーは携帯電話から自分のプロフを作成し、友人同士で見せ合っているようだ。

 プロフを運営している事業者はいくつかあるが、その中でも多くのユーザーを抱えているサービスの1つが「前略プロフィール」だ。900万以上のプロフィールページが開設されており、ユーザー数は「数百万人」と運営者は話す。

前略プロフィール 前略プロフィールで作成したプロフページのPC版をトリミングした様子。上下に広告が掲載される

 実は、この前略プロフィールを運営しているのはショッピングモールの最大手、楽天だ。ただし「楽天」というブランド名は前面に押し出さず、CGIBOYというサービスの1つとして提供している。CGIBOYはキープライムが運営していたサービスで、2002年に楽天がキープライムを子会社化、2003年に吸収したため、現在は楽天のポータル事業の1つとして位置づけられている。

 楽天 開発・編成統括本部 プロデュース本部 ポータル部門 部門長の浅見貴之氏によると「前略プロフィールは単独のサービスではなく、掲示板やアクセスカウンターなど、ユーザーが必要なパーツを使ってホームページを作るために利用するサービスの1つ」という。

「手軽さ」がヒットの理由

 前略プロフィールのサービスが開始されたのは2002年4月。当時は個人ホームページが全盛で、ブログやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)は日本で開始されたばかり。前略プロフィールの利用者数も、さほど多くはなかった。それが、2006年に風向きが変わる。

 「利用者数が急激に伸びたのは2006年の後半から。特にプロモーションをしたわけでもないのに、口コミで広がっている。コミュニケーションツールとして、10代から20代前半までのユーザーが利用しているようだ」と、開発・編成統括本部 プロデュース本部 ポータル部門 ポータルプロデュース部の鈴木裕次氏は話す。

 前略プロフィールでは、あらかじめ用意された質問事項に答えていくと自分のプロフィールページが完成する。また、写真や画像を掲載することも可能だ。非常に簡単な仕組みだが、この手軽さが受けたと楽天は見る。また、質問事項も「性別」「星座」「趣味」などスタンダードなもののほかに、「前世」「生まれ変わったら」「世界平和に必要なのは」といったユニークなものも多くあり、「受け狙い」ができる点も魅力になっているようだ。

 ユーザーは自分のページを携帯電話で開いて直接見せ合ったり、URLをメールで送りあったりしているという。また、初対面の際の名刺代わりとしても使っている。

 自己紹介ページは一度作成したらほとんど更新しないというケースが多いが、前略プロフィールでは様子が異なる。掲載した写真を頻繁に入れ替えたりプロフィールを書き換えたりするケースが多いという。また、掲示板を設置することができるため、新しいコミュニケーションツールとしても利用され始めている。

 同様のコミュニケーションツールとしてSNSやブログといったインターネットサービスもあるが、前略プロフィールは機能が限られているがゆえに利用するための敷居が低く、若年層を中心に会員数が伸びたのである。

 しかし、懸念材料もある。若年層がメインユーザーのためメールアドレスを簡単に公開してしまったり、自分の写真をそのまま載せてしまったりすることで、出会い系などへのトラブルにつながる可能性が高いのだ。「携帯電話から使っているユーザーが多いせいか、自分と友人しか見ていないと勘違いしてしまい、自分の住んでいる場所や友達の名前などをそのまま書いてしまう。インターネット上で一般に公開されているという意識が薄いユーザーは多い。PCサイトのコミュニティで言えば、3〜5年前の状況に似ている」(浅見氏)

新着記事

モバイルチャンネル セレクション

携帯電話の競争は機能からデザインへ--各社の夏モデルをまとめてチェック
携帯電話、PHS事業者4社の2008年夏モデルが出そろった。各社とも、女性やヘビーユーザーではない層に向けた端末を強化しており、競争の中心は端末の機能からデザインへと移ってきている。
携帯電話を使う時間帯、深夜から夕方へ移行
企業のモバイルサイトへのアクセス時間に変化が起きている。これまで深夜に多かったアクセスが減少し、代わりに夕方のアクセスが伸びているのだ。
「悪魔のような施策」「最も公平な手段」--ドコモメニューリストの入札制をめぐる思惑
「悪魔のような施策」--ある大手モバイルコンテンツプロバイダの幹部は、NTTドコモのメニューリストの掲載順位決定方式が人気順から入札制に変わることについて、こう表現する。しかしドコモは、「入札制はある意味最も公平な手段」と説明する。

モバイルチャンネル コラム

■モバイルインターネット業界の基礎知識

電子書籍、デコメ、着せ替えツール--なぜ今このモバイルコンテンツが伸びているのか
近年急成長を遂げたモバイルコンテンツ市場といえば、電子書籍やデコメール、最近ではメニュー等の着せ替えコンテンツだ。なぜこれらのコンテンツが今、伸びているのだろうか。

■モバイルインターネット業界の基礎知識

人気を集めるモバイルコンテンツにも変化の波
モバイルコンテンツ市場においては、音楽とゲームが大きな2本柱になっている。しかしその人気コンテンツは、時とともに移り変わっている。

■モバイルインターネット業界の基礎知識

行動、売れ筋、顧客単価--あらゆる面でPCと異なるモバイルECの世界
今回は、携帯電話による物販を中心とした、いわゆる「モバイルEC」について解説していく。その実態はPCのECビジネスと大きく異なっている。

フォト

企画特集

DELL連載第4回〜「Microsoft System Center」DELL連載第4回〜「Microsoft System Center」
PowerEdgeサーバに最適な運用管理ソリューション後編
今知るべき仮想化情報今知るべき仮想化情報
インフラからアプリケーションまで、これを知らずに仮想化は語れない
「未来の、その先」をどう提言していくか「未来の、その先」をどう提言していくか
クラウドコンピューティングが導く新しいシステム

プロダクトレビュー

ビジネスリーダーズブログ

メンバーズレビュー