スウェーデンの起業家Daniel Arthursson氏のもくろみが当たれば、2008年末には大勢のユーザーがインターネットOSでアプリケーションを走らせていることだろう。
Xcerionは、デスクトップアプリケーションに相当する機能をウェブブラウザで動かすためのソフトウェアを開発している企業で、Arthursson氏は最高経営責任者(CEO)を務めている。
今後数カ月で、こうしたデスクトップアプリケーションをホスティングするサービスのテストを行う見込みである。
数カ月以内に、プログラムをホスティングするサービスのテストを行う見込みである。収入は広告もしくは小額の年間利用料から得る。Arthursson氏は、システムの稼動開始を2007年第3四半期に予定している。
スウェーデンに本拠を置くXcerionは2007年に入ってから、ベンチャーファンドで1000万ドルを調達し、「Microsoft Windows」の元開発者数人と、Microsoftの元最高財務責任者(CFO)であるJohn Connors氏が出資者であると発表した。
ウェブベースのアプリケーションには、「Microsoft Office」など既存のソフトウェアのオンライン版に当たるものもある。しかしXcerionは、ほかの多くの企業と同様、既存のデスクトップOSをオンライン化によって進歩させようとしている。
Xcerionの場合、ユーザーは、ワードプロセッサやRSSフィードリーダなどのアプリケーションをブラウザで実行できる。Arthursson氏によると、アプリケーション自体は、データ共有が可能で、オンラインでもオフラインでも実行可能なのだという。
Xcerionは開発者向けにグラフィカルなアプリケーション開発ツールを提供しており、従来のプログラム言語よりもずっとアプリケーション開発が容易になっている。
Arthursson氏が、「Xcerion Internet OS」の開発に着手したのは5年前のことである。共同作業用のウェブアプリケーション開発をより容易にしたいという考えが動機であった。
同氏は「誰もが不可能だと思うようなことへの挑戦に、心底駆り立てられていた。OSと開発ツールの書き直しは、非常に大きなプロジェクトになった。しかし、製品への取り組みを進めるにつれて、自分たちがやっていることは実際に可能であり、また誰もやっていないことなのだとわかった」と述べた。
Xcerion Internet OSを支えている技術はXMLとAjaxである。Arthursson氏によると、すべてのアプリケーションはXML言語で書かれており、そのプログラムを実行し表示するOSはAjaxを利用して書かれている。
同氏によると、システムはトランザクションマネージャを備えており、アプリケーションをオフラインで実行したり、不足した情報を補ったりできるのだという。ほとんどのアプリケーションはユーザーのデスクトップでも単独で動作する予定だが、コラボレーティブアプリケーションはXcerionのサーバと連携して動作する予定である。
Xcerionのビジネスプランは、外部の開発者を招き、ツールを利用してアプリケーションを開発してもらうというものだ。Arthursson氏によると、Xcerionはアプリケーションをホスティングし、広告収入の大部分はアプリケーション開発者に渡るのだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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