マサチューセッツ州ケンブリッジ発--IBMのVisual Communication Labが開発したデータ共有サイト「Many Eyes」にソーシャルネットワーキング機能が強化される予定だ。
1月からパブリックアルファ版として公開されているMany Eyesのウェブサイトでは、Excelファイルなどの図表化されたファイルからなるデータセットをアップロードし、2、3回クリックするだけで、全ての人がそのデータを閲覧、入手できるようになる。
同サイトには、視覚化(Visualization)とよばれる15種類のデータチャートが用意されており、閲覧者はそれらのチャートをさらに操作することにより、データの違った見方や、より具体的なデータサブセットの検索、解析が可能だ。またユーザーは自分のデータセットをアップロードするだけでなく、他のユーザーのデータセットを視覚化することもできる。
インターネット上では、音楽、映画、ビデオについて共通の興味を持つ人々が集まってコミュニティを形成している。同サイトもそれらのコミュニティーと同様に、ある種のデータについて共通の関心を持つ人々がインターネットで集える場を提供するというコンセプトの下に生まれた。またVisual Communication Labは、同サイトが研究者らのコミュニケーションの場となることも期待している。
「われわれは、(Many Eyesを)データに関するコミュニティー作りの手段として利用してもらえればと考えている」と語るのは、Many Eyesの開発者の1人であるMatt McKeon氏だ。
その目的のために、Visual Communication Labは、使い勝手の良いソーシャルネットワーキングやWeb 2.0の機能を追加するつもりだ。
視覚化されたデータやツールをブログに掲載できるようにするという選択肢もあるが、ユーザーからは、より大きなバージョンやライブアップデートを行い、(視覚化されたデータやツールを)自分たちのウェブサイトに組み込めるようにして欲しいとする要求が多かった。Visual Communication Labは、固定のタグカテゴリやブラウジングオプションに加え、レーティングシステムも追加する予定だ(現在、データセットと視覚化データはすべて制作者がタグ付けを行っている)。同研究チームは分類わけされたフォーラムを追加し、共通の興味を持つ人々がデータについて議論できるようにする計画だ。
夏までにこれらと他のソーシャルネットワーキングコンポーネントを追加する必要がある、とMcKeon氏は語る。
McKeon氏によると、IBMが最初に同サイトに用意したデータセットはおよそ20種類だったが、現在はユーザーから提供された2000種類以上のデータセットが存在するという。McKeon氏は当初、米国政府のために、イラクで同国に駐留する米国軍による軍事データの評価、査定を支援するためのデータ視覚化プロジェクトに取り組んでいた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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