ニューヨーク発--テレビ業界で最も価値のあるブランドの1つであるMTVが、仮想世界でもマーケティングリーダーとして成功したいと考えている。
これは、当地で開催中のVirtual Worlds 2007カンファレンスにおける3部構成の基調講演で、同社が米国時間3月28日午前に明らかにした。
同社は、この新しいクロスプラットフォーム戦略を「4D」と呼んでいる。このアプローチでは基本的に、MTV Networksのテレビ番組コンテンツと完全な3次元仮想世界を組み合わせて、テレビ出演者と交流したり、共有体験が可能なコンテンツを制作したりしていくことで両方のサービスを高めていきたい意向だ。
MTV NetworksのMusic Groupでフランチャイズ開発担当シニアバイスプレジデントを務めるMatt Bostwick氏は、「これが、MTVのようなブランドと視聴者の対話方法を大きく変化させると強く信じている」と述べ、「特にストーリー展開が決まっているわけではない。オープンな経験になる」と語った。
MTVは既に、「Virtual Laguna Beach」と「Virtual Hills」という2つのブランドの仮想世界を立ち上げている。これらは「Laguna Beach」や「The Hills」といった人気番組のストーリーを巨大な公開3次元デジタル環境に組み入れて、ユーザーが番組の登場人物と出会ったり、番組のライフスタイルを「実体験」したりできるようにしている。
MTVは現在、人気テレビ番組「Pimp My Ride」の仮想世界バージョンである「Virtual Pimp My Ride」の公開準備を進めている。
これら3つのテレビ番組は南カリフォルニアの都市が舞台という設定で、MTVでは仮想「ハイウェイ」を作り、3つの仮想世界でそれぞれのユーザーがほかの2つの舞台を訪問できるようにしている。
これらの環境はMakena Technologiesの「There.com」のプラットフォームを使って構築されたが、どれもThere.com自体の仮想世界からは切り離されている。
MTVの基調講演は、2日間にわたって開催の同カンファレンスの早い時間に行われたセッションの1つで、3次元環境におけるマーケティングの発展を目指して主力メディア企業と仮想世界のプラットフォーム開発者を引き合わせる内容としては最初のものだった。同イベントで最も大きな話題になっている仮想世界は「Second Life」だが、There.com、「Entropia Universe」「Whyville」、プラットフォームデベロッパーのMultiverse Networksも参加している。
MTVは、広告メディアとしての仮想資産の活用に特に注目しているようだ。そして、仮想世界で利益を獲得する方法を熱心に聞こうと会場を埋め尽くした主力メディア企業の幹部らにとっても、Bostwick氏とほかのMTV幹部2人の話はかなり良い内容だった。
Bostwick氏によると、Virtual Laguna BeachとVirtual Hillsには、わずか6カ月で60万人以上のユーザー登録があったという。同社では、12月はじめにはこの数字が300万人に達する予想だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス