ディー・ワークスは3月7日、モバイルサイト専用のアクセス解析ツール「wellout」の新版を発表した。8日よりサービスを開始する。
welloutはNTTドコモ、au、ソフトバンクモバイルの公式サイト、および一般サイトについて、アクセス状況を分析できるASP型のサービスで、ディー・ワークスが独自に開発した。現在約30社が採用しているという。ディー・ワークスは1996年に創業したベンチャー企業だ。
PCサイト向けのアクセス解析ツールでは、サイトのHTMLタグ内に特定のJavaScriptを記述して解析するのが一般的だ。しかし、携帯電話のブラウザはJavaScriptに対応していないため、この方法を利用することができない。
このためディー・ワークスではアクセスログを元に解析する方法を採用した。アクセスログ型の場合、JavaScript型に比べて取得できる情報が限られるといわれるが、「PCの場合はユーザーによってブラウザやFlashのバージョンなどが違うが、携帯電話の場合は機能が端末に依存している。このため、ユーザーエージェントを見て端末の種類が分かれば、アクセスログ型でも取得できる情報は変わらない」とディー・ワークスビジネスデベロップメントマネージャの太田治宏氏は話す。
サイトのページビューやユニークユーザー数、訪問回数を日、曜日、時間帯ごとに表示するほか、広告効果の測定が可能だ。グーグルの検索連動型広告であるAdwordsのAPIを利用してキーワードごとに表示数やクリック数、利用金額などを表示するため、広告の費用対効果も分かるようになっている。
このほか、携帯電話向けならではの機能として、ユーザーが利用している携帯電話キャリアや端末の種類などが分かるようにした。welloutではこれまで発売された携帯電話端末の情報をデータベースとして持っており、これによってユーザーの端末のディスプレイサイズの傾向や、FeliCa搭載端末がどの程度使われているかといったことも把握できる。
「PCサイト向けのアクセス解析ツールがモバイルサイトに対応しはじめているが、携帯電話端末の情報に関しては弱い。この点がwelloutの強みだ」とディー・ワークス代表取締役社長の泉大五郎氏は言う。
新版の2007-Springバージョンでは、これまでできなかったユーザーのサイト内での滞在時間や広告の成約ユニークユーザー数などが把握できるようになった。
利用料金は初期費用が10万5000円、月額料金が5万2500円(月間20万ページビューまで)から。月額料金はサイトのアクセス数に応じて変動する。
3月からはローソンモバイルへの採用も決まっているといい、解析対象となるモバイルサイトの総アクセス数は月間1500万ページにのぼるとのことだ。
「4月から新しい年度に入ることで、モバイル広告への予算を増やそうとしている企業は多い。広告効果を図るためにも、アクセス解析ツールへの需要は高まっている」と泉氏は手応えを感じているようだ。
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