IBMのIrving Wladawsky-Berger氏がCNETのSecond Life支局を訪問して語ったところによると、IBMでは今後の重要課題として、バーチャルリアリティなどの視覚的インターフェースへの取り組みを挙げているという。技術戦略&技術革新担当バイスプレジデントであるWladawsky-Berger氏は、コンピュータ業界に革新をもたらした、EコマースやLinuxなどの技術への対応においてIBMを率いてきた人物だ。
Wladawsky-Berger氏は米国時間12月12日、「これまで3Dインターネットや仮想世界を対象とした新しい事業を発足させるべく、力を注いできた。1月にはこの分野においてEBOを開始する予定だ。EBOとは、新規事業創出(Emerging Business Opportunities)と呼ばれる取り組みのことで、IBMのLinuxやグリッド事業もEBOから生まれている」と述べた。同氏によると、仮想世界にはトレーニング、会議、コマースといった面で、ビジネスチャンスがあると、IBMでは考えているという。
Linden Labが運営するSecond Lifeとは、アバターと呼ばれる仮想世界の分身が空を飛んだり、テレポートしたり、お店に寄って買い物をしたりするウェブ上の仮想世界のことである。IBMはSecond Life内に、誰でも立ち寄ることのできる島を1つ所有しており、カリフォルニア州サンノゼ近郊にあるAlmaden Research Centerにちなんだ名前をつけている。同社は12月18日までにこうした拠点を12箇所追加する予定だ。
IT企業がこぞって公式ブログを開設したように、今はSecond Lifeに拠点を設けることが技術企業の間の新しいトレンドとなっている。自分たちが時流に乗っていることを世間にアピールし、潜在顧客との関係作りをして、いずれは利益に結びつけていくことが、その狙いだ。ここ数カ月ではIBMのライバル企業であるDellやSun Microsystemsが、Second Lifeオフィスを立ち上げ、活動している。
Wladawsky-Berger氏によると、Second Lifeでは多くのIBM社員が活動しているという。「Second Lifeコミュニティで現在活動している社員は1000人近くいると思う。それほど活発に活動していないがアバターを所有する社員もあと数百人はいるだろう」(Wladawsky-Berger氏)
IBMの最高経営責任者(CEO)であるSam Palmisano氏がSecond Lifeに現れたことも今回のグループ発足を促した。「われわれのCEOであるSam Palmisanoが北京で行った会合の中でSecond Lifeを訪問したことにより、IBMにおけるこの種の活動が一気に活性化した。Samも利用しているのなら、というわけだ」と同氏は付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」