PtoP技術を提供するBitTorrentが、映画やテレビ番組を配信開始する契約を大手エンターテインメント企業から獲得したことを米国時間11月29日にも発表する予定だ。配信開始は来春を予定している。
BitTorrentは2007年2月より、Paramount Pictures、Lionsgate、20th Century Foxなどのハリウッドの映画会社が制作した映画や、MTV Networksのテレビ番組をダウンロード提供するビデオストアを運営開始する予定だ。BitTorrentは2006年5月にも、Warner Bros. Entertainmentとの間で同様の契約が成立したことを発表していた。
今回の契約に関する金銭的な条件は明らかにされていない。
ハリウッドの映画会社各社は近ごろ、インターネットで映画を配信するための有望な戦略を立案しようと躍起になっている。YouTubeのような企業が台頭し、ネットで短編のビデオを配信しては大きな人気を誇るようになってきたからである。ウェブで長編映画を効率的に配信し、利益を得るための仕組みを確立しようと、デジタルエンターテインメント企業各社はこれまで準備を進めてきた。
BitTorrentからの発表がなされる前日には、小売業界の世界最大手であるWal-Mart Storesが独自の映画ダウンロードサービスを提供開始している。このほかにもApple ComputerのiTunesやAmazon.com、ビデオ共有サイトのGubaが映画会社と、コンテンツをネット配信するための契約を締結している。
タイトルの取りそろえを増やしたとしても、BitTorrentにとって膨大なライブラリをもつWal-MartやAmazonとの戦いは非常に厳しいものとなるだろう。BitTorrentの幹部らは、映画を他社よりも高速にダウンロードできるようにすることで、差別化を図る計画だと述べる。
2001年に開発されたBitTorrentのオープンソースのファイル配布システムは、インターネットを介して大容量のファイルを転送できるように設計されている。BitTorrentは、まず1つのファイルを複数の小さな断片に分割して、それらを複数のコンピュータに配布する。そして、ユーザー同士が、それらコンテンツの断片を互いに共有し合う仕組みだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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