ライバル企業の社名が検索語として入力された際に、自社の社名が表示されるようにする広告を販売したとしてGoogleが訴えられていた訴訟で、米連邦裁判所は米国時間9月28日、原告の訴えを退ける判決を下した。
同訴訟の原告はコンピュータ修理会社のRescuecom。Googleは、「Rescuecom」の検索語が入力された際に検索結果の隣に表示される広告を、Rescuecomのライバル企業に販売していた。これに対しRescuecomは2005年初め、Googleの行為が商標権の侵害にあたるとしてニューヨーク北部地区連邦地方裁判所に提訴した。
Rescuecomは同訴訟で、GoogleがRescuecomの社名に付随する信用に「ただ乗り」しようとしていると主張している。またRescuecomは、Googleの行為について、ウェブ検索者がRescuecomのウェブサイトに到達しようとするのを妨害し、さらに社内で検索結果を改ざん、修正し、商標を利用しており、これらの行為は商標権の侵害に当たるとしている。しかし裁判所は、これらが法律上の「商標の利用」に当たらないとして、Rescuecomの主張を退けた。
Googleの主席法律顧問を務めるMichael Kwun氏は、「われわれは、(Rescuecomの)訴えを退けたMordue裁判長の判決を歓迎する。われわれは長年、自分たちの商標権に関する方針は合法であると信じていたが、今回の判決でそれが再確認された」と語った。
一方、Rescuecomの創設者兼最高経営責任者(CEO)のDavid Milman氏は、控訴の可能性を示唆した。同氏は、「(今回の判決は)巨大企業が、より小規模の競合企業を互いに競わせ、自分は巨額の利益を得るという手法を認めるもので、危険な判決だ」とし、さらに「広告主らは、オンライン上の重要な顧客に何とか広告を見てもらおうと必死であるため、Googleが持つ巨大な力は、この卑劣な手法により、今後さらに強大化する。今後もこの手法の被害に遭う企業が出てくるだろう」と語った。
サンタクララ大学法学部教授でインターネットおよび知的財産法が専門のEric Goldman氏は今回の判決について、キーワード広告の販売が商業目的での商標の利用にあたらないとの判断が下された点で「重要な分岐点となる可能性がある」と指摘する。Goldman氏は自身のブログの中で、「(今回の判決は)検索エンジンがキーワード広告の販売について法的責任を負わないことを明確に示した初の判決だ」と述べている。
Googleは、フランスでもこの問題で提訴されたが、いずれの訴訟でも今回のような良い結果は得られなかった。同社は6月にLouis Vuittonに商標権侵害訴訟を起こされ敗訴した。また、2005年にもLe Meridien Hotels and Resortsに同様の訴訟を起こされ敗訴している。
Googleは、Check'n Goの親会社であるCNG FinancialやAmerican Blind、さらにWallpaper Factoryにも同様の訴訟を起こされている。また自動車保険会社のGeicoにも同様の訴訟を提起されたが、同社とは2005年9月に和解が成立した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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