有名ビデオブロガーのJ・ウォルフ氏、2日後に再収監へ

文:Michelle Meyers 翻訳校正:編集部2006年09月21日 12時30分

 カリフォルニア州ダブリン発--米国時間9月20日、ビデオブロガーでフリーランスジャーナリストのJosh Wolf氏に対して、暴動に発展した抗議活動の映像のうち、未公開部分を大陪審に提出しない場合、2日後に刑務所へ戻らねばならないとする命令が下された。

 Wolf氏は、2005年にサンフランシスコで勃発した、G8サミットに反対するデモの様子を撮影した映像を提出するつもりはないと述べている。第9巡回区控訴裁判所は米国時間9月18日、Wolf氏の保釈取り消しを決定したが、このときの判決では、同氏は20日午後までに現地の連邦刑務所に再収監されることになっていた。

 しかしタイムリミット直前に、裁判所は24歳になるWolf氏に2日間の猶予を与えた。Wolf氏は、こうした時間的余裕が得られたことで、代わりのルームメイトを探したり、請求書の支払いを済ませたり、携帯電話の料金プランを変更したりできたばかりでなく、自由かつ独立したジャーナリズムに加えられた攻撃について、同氏が考えていることを広く伝えることができたと話している。

 刑務所で開いた記者会見に集まったレポーターたちに向かって、Wolf氏は「無報酬で働くジャーナリスト」が「法執行機関のために無報酬で働く手先」になりたがるわけはないと語った。

 Wolf氏は米国時間8月1日、大陪審への協力を拒否したかどで侮辱罪に問われ、ブロガーとして初めて刑務所に収監された。同氏は映像(ビデオはここをクリック。編集部注:一部不適切な言葉が含まれています。あらかじめご了承ください)の提出を拒否しただけでなく、未発表のコンテンツを手元に確保し、取材源を秘匿するジャーナリストの権利に基づいて、大陪審における証言も拒んでいる。

 注目を集め始めたビデオブログの先駆者として知られるWolf氏は、収監から1カ月を経て保釈され、侮辱罪に対する同氏の控訴が審議されることになった。だが先週に入って、3名の裁判官が控訴申請を却下したため、保釈は取り消された。Wolf氏は、大陪審の審議期間が終了するまで刑務所を出られない可能性がある。大陪審が延長されなければ、最大で9カ月間の収監になるという。

 Wolf氏とその支持者らは、同氏が権力を持たない人々に発言の機会を与えていることから、政府の標的にされたのだと主張している。

 National Lawyers GuildのCarlos Villarreal氏は、「Wolf氏は改革主義者たちを取材対象としている」と述べ、そのほかにも左派や無政府主義者、反戦および反ブッシュ主義者を追いかけており、「同氏が刑務所へ入れられるのは、明らかに政治的な理由からだ」と糾弾した。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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