Apple Computerは、米国時間9月12日に開催する「Special Event」で、MacおよびPC双方のユーザーのリビングルームに、これまで以上の力を注ぐ意向を示すのではないかと、同社の動きに詳しい観測筋は話している。
アナリストや観測筋の予測が正しければ、「iTunes Music Store(iTMS)」およびクライアントソフトウェア「iTunes」は、音楽、テレビ番組、ミュージックビデオばかりでなく、長編映画のダウンロードサービスの提供を間もなく始めるだろう。また、「iPod nano」にワイヤレス機能が搭載されるとも予想されている。これが真実ならば、年末商戦期の売り上げ増につながる強力な武器になるだろう。
サンフランシスコのYerba Buena Center for the Artsで12日に開催される同イベントについて、Appleの関係者にコメントを求めたが、いつものとおり拒否された。
Appleは、新型ノートPCおよび新型デスクトップPCのIntelプロセッサへの移行を完了させるなど、2006年の一般イベントやプレスカンファレンスの大半で、Macに焦点を絞ってきた。だが、iPodの売り上げはApple全体の売り上げにおけるかなりの部分を占めており、堅調な成長を維持するためにも、AppleはiPodに関する新たな話題を提供する必要があると、多くのアナリストが指摘している。
Piper JaffrayのGene Munster氏は、新型のiPod nanoではフラッシュメモリが強化されてストレージ容量が大きくなり、カラーバリエーションも増えると考えている。携帯音楽プレーヤー市場ですでに巨大なシェアを獲得しているAppleが、支配力のさらなる強化を狙っているならば、ワイヤレス機能を搭載したモデルが1つや2つ登場しても不思議はないと、同氏は述べた。
一方、Microsoftも自身の携帯音楽プレーヤー「Zune」にワイヤレス機能を組み込み、年末商戦期にぶつけようとしている。2006年に入り提出された特許申請書によると、AppleがiPodへのワイヤレスチップ搭載を検討していることは間違いないようだ。Munster氏は、こうした機能が追加されれば、iPodからステレオやテレビへ、音楽もしくは映画をワイヤレス経由で転送することが可能になると話している。
このほか、Appleが映画会社と結んで、iTMSを通じて映画を配信する契約に関する発表も、12日のプレスカンファレンスの「showtime」になると考えられている。3月には、iTMSが、1本当たり9.99ドルの映画コンテンツリストを用意していることが確認された。また、映画会社Lions Gateの幹部は8月に、AppleのiTunesと映像配信に関する契約を締結したと発表している。さらに、同じく8月にBusinessWeek誌が報じたところによると、Lions GateおよびWalt Disneyが、長編映画ダウンロードサービスの開始当初より、iTMSで9.99〜14.99ドルの映画コンテンツを販売するために提携したという。Appleの最高経営責任者(CEO)Steve Jobs氏は、現在Walt Disneyの取締役会メンバーになっている。
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