シリコンバレーでいくつもの企業を立ち上げてきたMichael Robertson氏は、いわゆる音楽ロッカーで挑戦を続ける。
同氏が手がけた企業の中で最も新しい音楽サイトMP3tunesは先週、消費者の関心を引くための試みとして、音楽ロッカーの無料提供を開始した。音楽ロッカーを使うことでユーザーは、楽曲をサーバに保存し、PCやウェブ対応デバイスに楽曲をストリーミングして再生することが可能になる。
「Oboe Free」と呼ばれるこのサービスは、各ユーザーの楽曲を最大1000曲まで保存する。この曲数は、Apple Computerのデジタル音楽プレーヤー「iPod nano」の4Gバイトモデルに相当する。さらに大容量のストレージを利用したいユーザーは、MP3tunesが提供する2つのプレミアムサービスのいずれかにアップグレードできる。年額19.95ドルのサービスではOboe Freeに比べ2倍の楽曲が保存でき、年額39.95ドルのサービスでは無制限に容量が利用できるようになる。
音楽ロッカーや会員サービスは、まだそれほど一般の関心を集めていない。デジタル音楽においては、AppleのiPodやiTunesがほぼ独占状態で、その他は大きく遅れをとっている。
競合他社はAppleの弱点を狙って、価格面で対抗しようしている。SpiralFrogは米国時間8月29日、レコード会社Universal Music Groupと提携して無料で音楽を配信すると発表した。新興企業である同社は、顧客が楽曲をダウンロードする際に広告を表示し、収入を得ようと計画している。
Robertson氏は、もう1つのAppleの弱点として、ユーザーの楽曲を同社の製品やサービス内に閉じ込めている点を挙げる。先週行われたインタビューで同氏は、ユーザーはウェブ対応のホームエンターテインメントシステムや車載オーディオシステムなどのデバイスで音楽を鑑賞したいと思うようになるだろうと述べた。現在、iTunesユーザーは、Apple製以外のデバイスに楽曲を移すことはできない。
「メーカーが互いに協力してくれればよいのだが」と、音楽サイトのパイオニアとなったMP3.com、さらにLinspireやSIPphoneの創始者でもあるRobertson氏は言う。「現在のところは、そうはいかないようだ」
MP3tunesのソフトウェアを利用すれば、iTunesを含むどのデバイスまたはサービスからでも、個人の音楽ライブラリを音楽ロッカーに転送することができる。また、曲目リストを保存することも可能である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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