「『Yahoo!』と聞けばポータルサイトだけでなく、オークションやウェブメール、メッセンジャーなどいろいろなサービスを思い浮かべる。『Saaf』もそんなプラットフォームに育てていきたい」--ネットエイジ代表取締副社長の佐藤僚氏は新サービス群「Saaf」についてこう語る。
Saafはネットエイジが8月3日に公開した新サービス群の名称。統合認証サービスの「Saaf ID」を基盤にして、ソーシャルブックマークサービスの「Saafブックマーク」やソーシャルニュースサービス(ウェブ上で注目を集めているサイトやニュース記事にユーザーが評価を付け、ランキング表示するサービス)の「Saafヘッドライン」、まとめページ(リンク集)の作成が可能な「Saafまとめ」のCGM(Consumer Generated Media)サービス3種を提供する。また、グループ会社のRSS広告社が提供するコンテンツマッチ広告サービス「Trend Match」とIDの統合を実施している。
佐藤氏は「先端的な技術者から技術に詳しくない主婦ブロガーまで、すべてのユーザーを取り込めるサービスを目指したい」と語る。幅広いユーザー層が利用しやすいサービスをいかに提供していくかという点については、ウェブプロデューサーの増田真樹氏によると「コンセプトの段階から考えてきた」という。
たとえば、Saafブックマークでは「Saaflet」と呼ぶブックマークレットを用意している。ブックマークレットを使用すると、画面上にブックマーク用のウィンドウが表示される。ウィンドウではブックマークしたいページのタイトルとタグ、コメント、ブックマークした画面上の画像を登録可能で、ブックマークした情報はMyPageで一覧表示できる。ソーシャルブックマークはITリテラシーの比較的高いユーザーしか利用しなかったサービスだが、幅広いユーザーが利用できるインターフェースの構築を目指したのだという。
また、「Digg」などで知られるソーシャルニュースサイトでは、はじめにユーザーが記事を投稿する必要がある。しかしSaafヘッドラインでは、現時点では人気ランキングに入っていないが、ランクイン候補となる注目度のそれほど高くない記事も一覧表示できるので、ユーザーは記事の新規投稿をせずとも、「○」か「×」の評価をするだけでもランキングに参加できるようにした。Saafまとめについては、Wikiの記法すら知らないユーザーでも意見を書き込めるようにと考え、URLとタイトルを書くだけでまとめページが作成できる仕様になっている。
ネットエイジでは、Saaf IDをコンシュマー向けサービスの統合プラットフォームと位置づけており、Saafを核にBtoC向けのサービスを強化する。Saaf上でRSS広告社のコンテンツマッチ広告を表示する一方、ブックマークしたサイトなどを一覧表示できるMyPageや、まとめページにアフィリエイト広告を表示し、ユーザーが収入を得られる仕組みも提供する予定で、「ユーザーと自社のどちらも利益の得られる広告モデルのビジネスを作れる」と佐藤氏は語った。
ソーシャルブックマークなどは、すでに他社の手がけるサービスがたくさんあるが、あえて後発でも提供しようとした点について、佐藤氏は「人気のサービスがあると言ってもまだ定番になっているものがあるわけではない。サービスの質次第で今からでも定番になれる」と自信を持つ。今後はブログサービスとの連携機能をはじめとして、続々と新機能を追加していくかまえだ。また、現時提供中の機能についても随時ブラッシュアップを続け、年度末までに10万人の会員獲得を目指す。
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