AOLは希望者に無料でドメイン名を提供するサービスを始めると発表した。
ただし、そのドメイン名を所有するのは、ユーザーではなくAOLになる。9月から始まるこのサービスでは、ユーザーは取得したドメインを電子メールやホームページのアドレスとして利用できる。ユーザーの友人、家族、同じクラブや組織、スポーツのチームのメンバーなどでそのアドレスを共同利用することもできる。
これは面白いアイデアで、ドメイン名を買いたいとは思っているが、その手間をかける時間がない人などの注目を集める可能性は高い。通常、ドメイン名を買うと、ホスティングサービスを提供する企業に毎月数ドルほど払う必要があるが、今回提供されるサービスではこの問題も解決してくれる。AOLは追加料金なしですべての面倒を見てくれる。
このサービスには「AOL My eAddress」という名前がつけられている。AOLの発表によると、このサービスでは「.com」あるいは「.net」のアドレスで、100個までの電子メールアカウント、2Gバイトのストレージ、スパムフィルタリングサービスを提供し、「Outlook」や「Thunderbird」などのメールクライアントからのIMAPプロトコルでの利用をサポートする。
これは、同社が展開する、ダイアルアップユーザーの急速なAOL離れを防ぐ戦略の一環だ。同社では、2006年の2四半期だけで、100万人近くのユーザーが解約している。これらのダイアルアップユーザーはAOLから他のブロードバンドサービスに切り替えている。AOLは2002年のピーク時と比較すると、3分の1以上の会員を失っている。
財務的な面から見ると、My eAddressサービスはAOLにとって合理的に見える。現在の.comドメインの卸売り価格は1ドメインにつき約6ドルであり、AOLは正規のレジストラであるため、もっとも低い値段でドメインを取得することができる。これは、AOLがこのサービスを維持するのに、1ドメインにつき年に6ドル以上の広告収入(あるいは一部のユーザーへの追加有料サービスを提供)による収益を上げなければならないことを意味している。
AOLには別のメリットもある。最近では、いいドメイン名を見つけるのは難しくなってきている。AOLが抱えている大量の利用者は、取得するだけの価値があるいいドメイン名を見つけてくれることが考えられる。そのドメイン名がMy eAddressユーザーによって使われなくなったら、AOLはそのドメインを販売することができる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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