Googleは、同社の収益の柱であるペイパークリック型広告システム上で行われているクリック詐欺について、第三者企業が提示した詐欺的クリック数の推計は誇張されているとし、反論を開始した。
Googleは米国時間8月8日に発表したレポートの中で、クリック詐欺対策サービスを販売している第三者企業の主張に対し反論している。クリック詐欺とは、ウェブサーファーが広告から情報を得るという正規の目的で広告をクリックするのではなく、広告を掲載することで収入を得ているウェブサイトが収入を増やすために自ら広告をクリックしたり、あるいは、ライバル企業の広告予算を浪費させるためにその企業の広告をクリックしたりする行為を指す。クリック詐欺対策サービスを提供する企業各社の推計によると、詐欺的なクリックに対し広告料を支払っている広告主は全体の35%にも上るという。
しかし、Googleは「How Fictitious Clicks Occur in Third-Party Click Fraud Audit Reports(第三者企業によるクリック詐欺の監査報告書で、架空クリックはいかに算出されているか)」と題したレポートの中で、監査報告書を作成した企業は、Google AdWords広告に対して行われたものではないクリックまでカウントしているため、報告書の数字は実際より大きくなっている場合が多いと指摘している(この17ページに及ぶGoogleのレポートは、同社のInside AdWords Blog上で閲覧可能)。
Googleの信頼および安全確保担当ビジネスプロダクトマネージャーShuman Ghosemajumder氏によると、例えば、一部の報告書ではAdWords広告に対する1回のクリックが5回としてカウントされ、その結果、5回の詐欺的クリックが行われたと報告される場合があるという。Ghosemajumder氏は、カリフォルニア州サンノゼで開催されているSearch Engine Strategiesカンファレンスのクリック詐欺に関する討論会で、Googleが作成したレポートに言及した。
Ghosemajumder氏は架空クリックがカウントされてしまうケースとして、ウェブサーファーが広告主のサイトをより詳しく閲覧した後に、「戻る」ボタンを押した場合、あるいは待ち受けページ上でブラウザのリロードボタンを押した場合、あるいは新たなブラウザウィンドウを開き、それによって待ち受けページがリロードされた場合を挙げた。
さらにGoogleは、第三者企業のよる複数の報告書において、「仮に2社の広告主が存在し、それぞれが(GoogleとYahooといった)異なる広告ネットワークを利用しているにも関わらず、片方の広告主のトラフィックがもう片方の広告主のレポートに算入されているケースがある」ことの証拠を見つけたという。
またGoogleはレポートの中で、第三者企業の報告書は、わずかなサンプルを使った分析に基づいて作成されていると批判している。
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