複数の人権擁護団体とPulver.comやSun Microsystemsなどのハイテク企業で構成されるグループが、インターネットサービスプロバイダー(ISP)に政府がインターネット通信を傍受するための「裏口」の設置を義務付けた連邦裁判所の判決を不服とし、再審理を求めている。
米国時間7月21日、人権擁護団体とハイテク企業で構成される同グループは、ワシントンDCの連邦控訴裁判所に対し、6月9日に下されたBush政権に有利な判決を見直すよう求めた。
3人の判事団が2対1で下した同判決(PDFファイル)はISPに対し、2007年5月までにネットワークを構築し直し、通信傍受規定の複雑なスキームに準拠するよう義務付けている。
再審理を求めている団体や企業は、正当な裁判所命令に従うことについては何の問題もないとしている。
彼らが懸念しているのは、通信傍受のための裏口の設置に関わるコスト、困難さ、プライバシー問題についてだ。連邦通信委員会(FCC)は(通信傍受のための裏口設置に関する)要求事項を承認したが、再審理を求めているグループは、そのFCCの行為は連邦法の許容範囲を超えていたと主張している(なお、全米教育協議会(ACE)など、一部の学術団体は、6月に下された判決は彼らの利益を十分に保護しているとして、裁判所に再審理を求めているグループから離脱した)。
同グループは再審理の申立書の中で、次のように述べている。「これまで(FCCの規定がない中で)捜査機関がインターネット通信を傍受する際に何らかの障害にぶつかったことは一度もない。実際、記録を見る限り、これまで試みられたインターネット通信の傍受は100%成功している」
仮にFCCの通信傍受規定がなくても、警察にはインターネット上で通信傍受を行う法的権限がある。FBIのCarnivoreシステムは、まさにその目的で開発されたものだ。それでもFBIは、「今日、国家安全保障上の脅威が高まっていること、また、犯罪者らが極めて秘密性の高い通信手段を用いる傾向が強まっていることを考慮すると、早急にブロードバンド上の通信を傍受できる標準化された手順が必要である」と主張する。
この通信傍受をめぐる争いで問題となっているのは、1994年に制定された「捜査当局による通信傍受の援助法(Communications Assistance for Law Enforcement Act:CALEA)」の適用範囲だ。
すなわち、1994年の制定時には、議会が適用対象から除外したと思われる「情報サービス」もCALEAの適用範囲に含まれるか否かが議論の中心になっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
先端分野に挑み続けるセックが語る
チャレンジする企業風土と人材のつくり方
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
「1→10」の事業化を支援する
イノベーション共創拠点の取り組みとは
すべての業務を革新する
NPUを搭載したレノボAIパソコンの実力
NTT Comのオープンイノベーション
「ExTorch」5年間の軌跡
日本のインターステラテクノロジズが挑む
「世界初」の衛星通信ビジネス