デジタルガレージ、ぴあ、カカクコムの3社による共同出資会社、WEB2.0は7月11日、消費者向け情報共有サイト「PingKing(ピングキング)」のベータ版を報道関係者に公開した。同日中に一般公開する予定だ(なお、11日午後7時現在、サイトにアクセスしようとすると認証を求められる)。
WEB2.0は2005年11月に設立した。出資金5000万円のうち、デジタルガレージが76%、ぴあが14%、デジタルガレージ傘下のカカクコムが10%を所有する。
今回の発表された新サイトは消費者参加型の情報共有サイトで、商品情報に対してユーザーが自由にコメントをし、その情報を他のユーザーと共有したりさらに意見を付加したりすることで情報価値を高めていくというコンセプト。現在、注目されているブログやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)といった「Web 2.0」の概念を、使いやすいインターフェースを提供することで、より身近で手軽なサービスとして参加者を増やし、活性化させていくのが狙いだ。
出資企業であるぴあとカカクコムの保有する、アーティストやイベント、商品情報などの約30万件のデータベースをもとにサービスをスタートする。今後は、他のコンテンツホルダーとの協業を進め、法人向けに企業と消費者との接点、コミュニケーションの場を提供していきたいとしている。
なお、サイト名であるPingKingとは、ユーザーが情報をプッシュするという「Ping」と、ランキングをもじった「King」を掛け合わせたものという。
ユーザーは「ポッケ」という個人ページに、キーワードやサイト、イベントなど、自身が興味を持っている情報とそれに対するコメントを登録する。その情報を他のユーザーと共有することによって、同じ趣向を持つ他のユーザーを発見し、さらに他の人が興味を持っている情報を知ることで関心を広げられるという。
サイトにはあらかじめ、イベントやキーワード、商品名などのデータベースが用意されているが、ユーザーが自由に項目を登録、追加していくこともできる。
WEB2.0代表取締役の林郁氏はPingKingについて「ユーザーが簡単に情報をクリッピングできるサイト」と話し、ユーザーが能動的に利用することで活性化されるサイトであることを強調した。
収益は広告が中心となる。近く、デジタルガレージ、電通などと共同で広告代理店を設立する予定で、バナーなどサイト上に掲載する広告を販売する。今後はマーケティングデータの販売等での収益も目指す考えだという。さらに、データ提供元となる提携企業に対しては、販促ツールとしてのサイトのメリットをアピールしていきたいとしている。
WEB2.0は2005年11月の時点で、デジタルガレージが100%出資するテクノラティジャパンのブログ検索技術を利用したサービスを展開するとしていた。しかし、当初はPingKingにこの機能は盛り込まないといい、将来のサービス拡張時に検討したいとした。
当面はベータ版サービスとして展開していく方針で、目標数値は2年後に登録ユーザー数が50万人、企業から提供される情報が100万件としている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」