長編映画やテレビ番組などの娯楽映像のダウンロード販売開始に向けて、BitTorrentがエンターテインメント企業との提携を進めている。
サンフランシスコに拠点を置くファイル共有企業BitTorrentは米国時間7月10日、4社の独立系映画会社とライセンス契約を結んだことを明らかにした。これにより同社は、1600本に上る映像コンテンツを、インターネット経由で販売できるようになる。
今回の契約締結の2か月前には、Warner Bros. Entertainment Groupとの画期的な提携が発表されている。Warner Bros.は、大手エンターテインメント企業としては初めて、何かと物議を醸すBitTorrentのファイル配信システムを取り入れることになった。
BitTorrentの共同設立者で社長のAshwin Navin氏は、「非大手映画会社の作品を一堂に集めるのにBitTorrentが役に立つことが、これではっきりした。われわれなら、消費者に包括的なサブスクリプションサービスを提供できるだろう」と述べた。
かつてはPtoP技術に不信感を抱いていたハリウッドの映画会社は、BitTorrentや映像共有サイトGUBAなどとの提携を積極的に試みるようになっている。GUBAは6月、Warner Bros.と提携し、複数の映画を配信していくことを決めた。著作権が保護されている映画の複製ファイルを、合法および非合法に交換するのに広く用いられてきたBitTorrentは、同技術を合法サービスでのみ使用するツールに転換しようと努めている。
独立系映画会社との間で締結された今回の契約は、複数の映画タイトルをサブスクリプションサービスの一環として販売するというもの。一方、BitTorrentによるWarner Bros.の作品配信法はこれとは異なり、タイトルごとに料金を徴収するタイプのサービスになる。
BitTorrentは、映画のファイルを最高1Gbpsでダウンロードできる映像販売ストアを開設すると話している。同社の幹部の話では、同ストアは今秋にも運用が始まるとのことだ。
今回BitTorrentと提携契約を結んだのは、Hart Sharp Video、(Image Entertainment傘下の)Egami Media、Koch Entertainment、The Orchardの4社。提供される作品は、ドキュメンタリーから長編および短編映画、音楽コンサート、コメディ、テレビ番組まで、多岐にわたっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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