今から数カ月前、NBC UniversalはYouTubeに対し、同局のテレビ番組をサイトから削除するよう強く迫っていた。だがそれ以降、YouTubeはインターネットの雄となり、NBCも態度を変えるようになった。
NBCの関係者は米国時間6月27日、「Saturday Night Live」や「The Tonight Show with Jay Leno」など、一部のテレビ番組の宣伝用クリップをYouTubeにアップロードするという同局の意向を報じたWall Street Journalの記事が正しいことを認めた。General Electric傘下のエンターテインメント企業であるNBCは、YouTubeに広告を出稿し、自身の番組の中でYouTubeを紹介していく予定だという。本提携の金額的な詳細は明らかになっていない。また、YouTubeの関係者はコメントの提供を拒否している。
個人が撮った映像をインターネットで共有するという行為に人々が熱中する様を見て、ハリウッドの大物たちも同様のビジネスに関心を示し始めている。米国時間26日には、Warner Bros.が、インターネットビデオサイトであるGUBAで同社の映画およびテレビ番組のダウンロード販売を始めたと発表した。GUBAは、映像共有サイトとしては初めて、映画の全編を提供している。
NBCとの共同マーケティング契約を勝ち取ったことで、YouTubeは映像共有サイトの第一人者としての力量を見せつけた。今日は、一般市民が自作ビデオをYouTubeやGoogle Video、Grouper.comなどに公開し、ミュージカルやお笑いの才能を誇示したり、世間の注目を集めたりできる時代である。YouTubeだけでも、1カ月に約1300万人ものユーザーが映像を視聴しているという。だが、これらのサイトがいまだに膨大な法的および技術的な問題に直面していることもまた事実だ。彼らは、アップロードされる映像を精査し、著作権物が含まれているものを削除する作業に多大な労力を費やしている。
映像共有サイトの運営企業は、著作権物に関して危ない橋を渡らざるを得ない状況に陥っているが、YouTubeはその代表格と言えるだろう。YouTubeでは魅力的なアマチュアビデオを視聴できるものの、ユーザーはより洗練された、プロの作品も見たいと考えているようで、テレビ番組や映画が無許可でサイトにアップロードされるケースが後を絶たない。
NBCは今年2月に、Saturday Night Liveの中の「Lazy Sunday」というクリップがYouTube上で人気を博していることを問題視し、同サイトからこれを削除するよう要請した。しかし、こうして物議を醸したことが、結局はYouTubeの知名度を押し上げ、さらにユーザーが増えるという結果につながったのである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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