著作権侵害の代名詞ともなっているファイル共有用ソフトウェアの開発会社であるBitTorrentが、ハリウッドの映画会社と画期的な販売取引を成立させた。
Warner Bros. Entertainment Groupは、今夏から、BitTorrentのPtoPシステムを使用して、「デュークス・オブ・ハザード」や「バビロン5」などの映画やテレビ番組の販売を開始することに合意した。この契約について両社は米国時間5月9日に発表する予定だ。
Warner Bros.は、BitTorrentのファイル配布システムを採用する最初の大手エンターテインメント会社となる。BitTorrentは、これまで著作権保護された映画のコピーを不法にやり取りするために広く使用されてきた。
また、今回の合意によりBitTorrentは、eDonkeyやKazaaを含むファイル共有技術の開発会社のなかで、初めてハリウッドの映画会社と販売契約を交わす会社となる。金銭面に関する条件は公表されていない。
同社の社長であるAshwin Navin氏によると、BitTorrentは過去に、Napsterのビデオ版であるとの誤った認識をされていたという。同氏によれば、BitTorrentは、ユーザーが著作権で保護された作品を交換するためのネットワークを運営したことは一度もなく、また違法行為を行う人たちとは一線を画してきた。
こうした事柄が、映画会社の幹部たちの信頼を勝ち取るのに役立ったのは事実だが、同社がハリウッドへの売り込みに成功した主な要因は同社の技術的な強みにあると、Navin氏は述べる。コンテンツの価格体系はまだ発表されていないが、Navin氏によれば、テレビ番組は1ドルほどで販売される可能性があるという。
「BitTorrentには、技術的にみて非常に大きな魅力がある」と、Navin氏は述べる。だからこそ、「BitTorrentは配布技術として役に立つ」と映画会社の幹部たちを納得させることができたのだという。
2001年に開発されたBitTorrentのオープンソースのファイル配布システムは、インターネットを介して大容量のファイルを転送できるように設計されている。
BitTorrentは、まず1つのファイルを複数の小さな断片に分割して、それらを複数のコンピュータに配布する。そして、ユーザー同士が、それらコンテンツの断片を互いに共有し合う仕組みだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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