Bush政権は米国時間4月20日、性的に露骨な情報を掲載しているウェブサイトの運営者に対し、政府が公式に定めた警告ラベルの掲示を義務づけるとともに、違反者には最長で5年の禁固刑を求めるとする提案を行った。
Alberto Gonzales米司法長官は、バージニア州アレキサンンドリアで開催されたあるイベントのなかで、この強制的レーティングシステムが実現されれば、「人々が意図せずにインターネット上でポルノ画像に遭遇することがなくなるだろう」と語った。
ブッシュ政権のこの提案では、商用ウェブサイトに対し、連邦取引委員会(FTC)が考案する「印や注意書」を、露骨な性的表現を含むすべてのウェブページに付すことが求められる。露骨な性的表現の定義は多岐に及び、性交渉や自慰行為、「サディスト的な虐待」、そして完全に着衣状態の生殖器部分のクローズアップなどのすべてが含まれている。
Gonzales司法長官は、連邦政府が資金を拠出するNational Center for Missing and Exploited Childrenで行った、児童搾取とインターネットについての講演のなかで、「議会がこの法案について迅速に対応することを望む」と述べた。この法案は、「2006年児童ポルノグラフィーおよびわいせつ防止法修正(Child Pornography and Obscenity Prevention Amendements of 2006)」と呼ばれている。
また、違反者への罰則については、詐欺的な「言葉やデジタル画像」をソースコードに含め、アクセス者に誤解を与えるようなウェブサイトの運営者を禁固刑に処するという内容になっている。たとえば、実際にはあからさまな性的描写のある写真を大々的に扱っていながら、「Barbie dolls」や「Teletubbies」などのキーワードによる検索結果に表示されるサイトがこれに該当する。さらに、ホームページにアクセスしてきただけで、それ以上何もしていないネットユーザーに明らかに性的な情報を提示した商用ウェブサイトも、新たに処罰の対象となる可能性がある。
この提案に対して批判的な人々は、その要求内容が米国民の表現の自由に対して理不尽な負担を課すものだとしている。とくに、刑事罰に裏付けられた強制的レーティングシステムは、「憲法修正第1項に相反する」ものだと、米国人権擁護連盟(American Civil Liberties Union)の法律顧問を務めるMarv Johnson氏は述べている。 Gonzales司法長官は講演の中で、ISP各社は将来の犯罪訴追を助けるために、顧客の活動に関する記録を保管し始めるべきであるとも警告し、さらにこれについても法制定が必要となるかもしれないと述べた。ISP各社は、すでに警察当局に協力していると述べており、彼らが侵害的と見る新規制をめぐる連邦議会での政治的な戦いにむけて準備を進めているようにみえる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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