Microsoftは、次期オペレーティングシステム(OS)「Windows Vista」に新しい音楽プレーヤーソフトを搭載する予定だが、少なくとも一部の新機能はずっと早めに登場するだろう。
Vistaに搭載予定のこのソフトウェアでは、携帯メディアプレイヤーなどとの同期機能が強化され、大量の音楽ライブラリのなかから簡単に選曲できるように考えられている。また、MicrosoftとMTV Networksが共同で開発した新たな音楽のサブスクリプション/ダウンロードサービスの「Urge」と緊密に統合されたものになる。
Vistaの一般発売は来年以降の話だが、一般ユーザーはこの強化されたメディア機能の一部をそれよりも前に手に入れることが可能になる。Microsoftは先週、「Windows Media Player 11(WMP 11)」のWindows XPバージョンを、予定通り今年6月末までに公開する運びであることを認めた。
MicrosoftはこのXP版について、いつになく口が堅い。同社は1月のConsumer Electronics Show(CES)で簡単にデモンストレーションをして以来、ほとんど口を閉ざしたままである。同社は、このXPバージョンにはVista版の全ての機能が含まれるわけではないと述べただけで、具体的にどの機能が除外されるのかについては明らかにしていない。また、同ソフトウェアの公開テストバージョンもまだ提供されてはいない。
WMP 11のVista版については何カ月にもわたり公開テストが続いているが、これには現行のメディアプレーヤーソフトとは大幅に異なる部分があり、とくに携帯機器に接続した際の変化が著しい。
WMP 11では、ユーザーが「リバースシンク」することが可能となることから、携帯機器のなかにあるコンテンツをPCに転送できるようになる。これにより利用者は、カメラ付き携帯電話で撮影した写真や、無線端末を使って購入した楽曲をPCに保存できることになる。
ほかにも、携帯音楽プレーヤーを複数のPCとシンクさせ、ランダムな楽曲を送り込む、iTunesの「Shuffle」のような機能も含まれる。これは、先週インターネット上で一時的に公開されたWindows Vistaの製品ガイドから明らかになった点だ。
もうひとつの変化は、著作権付きの音楽/ビデオのファイルの品質レベルを変更させる機能が付く点だ。Windows Media Player 11では、著作権付きのWindows Mediaファイルのサイズを携帯プレーヤーでの再生用に小さくすることができる。携帯プレーヤーでは動画ファイルの画質はそれほど問われない。
もちろん、大半の人がPCと接続して使いたいと考えている音楽プレーヤーはApple ComputerのiPodだ。しかしWindows Media Player 11では、購入したWindows Mediaファイルの楽曲をiTune独自のFairPlayフォーマットに変換することはできない。したがって、Windows Mediaに対応したオンラインサービスで購入した楽曲はiPodでは再生されない。
Yankee GroupのアナリストNitin Gupta氏は、「コンピュータから楽曲を持ち出すときには、iPodを使う人が多い」と語っている。
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