元MTVのスターVJがオランダの雑誌を訴えた裁判で、オランダの裁判所はCreative Commonsのライセンスが法的拘束力を持つとする判決を下した。
法律関連ウェブサイト「Groklaw」によると、従来の著作権ライセンスよりも高い柔軟性を持つ同ライセンスの法的拘束力が裁判で確認されたのは今回が初めてだという。
「Creative Commonsのライセンスはかなり新しいため、判例はほとんどない。そのため、これは重要な展開といえる」(Groklaw)
かつてMTVのVJをしていたAdam Curryは、オランダの雑誌「Weekend」がCurryの娘の写真を無断掲載したことを受け、同誌を著作権侵害で提訴した。CurryがFlickrの写真共有サイトで公開した問題の写真には、「Creative Commons Attribution-NonCommercial-ShareAlike 2.0」ライセンスが適用されていた。同ライセンスの規定によると、同ライセンスが適用されたコンテンツは、出典が明記されていれば非営利目的に限り自由に利用できるが、コンテンツの制作者がこの条件を放棄しない限り、営利目的には利用できないという。
Curryは、同裁判所がWeekendに対し、Curryの写真の再利用を禁じ、利用した場合は無断利用した写真1枚に付き1000ユーロ(約1200ドル)の罰金を科す命令を下したことを、自身のブログのなかで明らかにした。
Weekendの発行元であるAudaxは、Curryの写真の横にあったFlickrの注意書きの内容を誤解した、と主張した。この注意書きには「パブリック」とあり、ライセンスへのリンクも明確でなかったという。しかし、同裁判所による判決の翻訳文を公開したCreative Commons Canada(CCC)によると、同裁判所は、Audaxが写真の公開前に適切な注意を払うべきだったとし、この弁論を却下したという。
CCCによると、ライセンスの内容を把握し、これに従うのがユーザーの責任であることを明確にするこの判決は重要な意味を持つという。
「オランダの裁判所が下した判断は、Creative Commonsのライセンス規定に対する明示的な同意や認識が無くても、ライセンスを受けたコンテンツにはライセンス規定が自動的に適用されることを正式に認めており、大きな注目に値する」(CCC)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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