検索関連の広告ビジネスはすでに頭打ちか。
GoogleとYahooの最高財務責任者(CFO)の最近のコメントからすると、ここ数年目を見張る成長を続けてきた両社の検索関連広告の売上は、少なくともその手前のあたりまで達している。しかし、それはすでに周知の事実だ。
CNBC によると、GoogleのCFOであるGeorge Reyesは米国時間2月28日に、投資家向けカンファレンスの中で、同社の全体的な成長が鈍化しており、また今後の成長の余地はほとんど「有機的」なもの(=企業買収などに依存しない売上拡大)に限られていると語ったという。この発言で、同社の株価は13%以上値下がりしたが、その後わずかに反発した。
また1月中旬には、YahooのCFO、Sue Deckerが第4四半期の決算発表の際に、同社は競合他社と成長を競っているわけではなく、「新たな売上の機会をつくり出す」ことを目指していると述べていた。
インターネット広告の花形ビジネスである検索広告にとって、これは何を意味するのか。ドットコムバブルの崩壊後、Googleを数十億ドルの売上を持つ大企業へと成長させ、Yahooの売上を回復させたのは、検索広告ビジネスからの売上だった。
金融アナリストらは、2つの点を指摘している。ひとつは、GoogleとYahooの検索広告事業が今後も堅調さを維持し、さらに両社はローカル検索といった技術革新の分野で新たな利益を上げるということ。そして、もうひとつは、明らかにプラス要因が存在する--つまり、両社は新たな収入源となる新規事業を検討しているということだ。
米調査会社Piper Jaffrayのシニアリサーチアナリスト、Safa Rashtchyは、「今後、Googleは積極的に他の収入源を模索して行くとわれわれは確信している」と述べ、さらに「Googleの成長に新たな鈍化が見られたり、あるいは、われわれが織り込んでいる以上に鈍化のペースが速まっているとは考えていない」と語った。
Citigroupは1月に発表した報告書の中で、米国における検索関連広告ビジネスの売上総額は、2004年の38億5000万ドルから2007年には90億ドルまで増加すると予測している。この間の複利成長率は32%だ。しかしこの数字は、GoogleとYahooがここ数年間に記録してきた3桁の成長率には遠く及ばない。両社が控えめな予測をするのもうなずける、と一部の金融アナリストらは語る。
Piper JaffrayのRashtchyは、成長率が鈍化しているとするGoogleのコメントについて、「売上が数十億ドル規模になっていることを考えれば当然だ」としている。
検索業界全体の状況は明るい。米国におけるインターネット広告の売上総額は2004年の96億ドルから2007には185億ドルに増加すると見られている。Citigroupによると、オンライン広告の売上全体に占める検索広告の割合は、2004年の40%から2007年には48%に上昇するという。実際、検索広告の売上増加率は、ディスプレイ広告やリッチメディア広告の売上の伸びを上回っている。
検索広告でまだ成長の余地が残されているのは、海外市場とローカル広告の分野だ。YahooやGoogleをはじめ、多くの検索企業が、海外での事業拡大を急速に進めると同時に、携帯電話や携帯端末向けのローカル広告のビジネスチャンスを拡大しようと凌ぎを削っている。またYahooとGoogleは、ブランド広告の成長にも期待している。
Reyesのコメントのなかにも前向きなもののほうが多かった。
「いずれ成長は鈍化することになるだろう。ただし、急激に鈍化するとは思わない。私は、まだ成長の余地は多分にあると考えている。問題はどれくらいのペースで成長していくかだ」(Reyes)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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