ワシントン発--まもなくGoogleのチーフ・インターネット・エバンジェリストに就任するVint Cerfは、世界各地にある同社の研究所間を行き来して、アイデアの種をまく「働きバチ」になるという。
インターネット界の先駆者であるCerfは米国時間14日、当地で開催中の「FirstMile.US」ブロードバンドカンファレンスで講演を行った。同氏は、この講演の後でCNET News.comに対し、ソフトウェアを開発したり、エンジニアたちを直接監督するようなことはしないが、Googleの業務の根底にある「設計の理念や要素、制約を深く掘り下げる」つもりだと語った。
インターネットの基本通信プロトコルの開発に携わったCerfは、「(CEOの)Eric Schmidtが考えていたのは、Googleの社内外で、自社の持つ潜在能力を人々に理解してもらうことだった」と述べた。「解決の必要な問題を研究室の人間に投げかける機会があればと思っている」(Cerf)
最近までMCIの技術戦略担当バイスプレジデントを務めていたCerfは、10月3日付でGoogleに入社することになっている。
Googleが今後どの分野に重点をおいていくかについては何とも言えないと、同氏は述べた。だが、以前CNET News.comに語ったように、同氏は「位置空間」情報の伝達--つまり一番近い病院やATMの場所を携帯端末から見つけ出す機能を、極めて重要な事柄だと考えている。
「Google Earthに対する素晴らしい反響を考えると、地理的にインデックス化された情報の活用方法にさらに開発の余地があるのは明らかだ」(Cerf)
同氏はまた、音声を使った検索についても、可能性を探ったことがあるかどうかをGoogleのエンジニアに尋ねるつもりだという。同氏によると、こうした技術は「読み書きは得意でなくとも話すことはできる地域」で役に立つということだ。
同氏はほかにもたくさんのアイデアを暖めているが、ただしGoogleのライバル企業に漏れるのを恐れて、それらを明らかにはしなかった。同氏はまた、自分の職務内容が「まだ決まっていない」ことを認めた。
14日の基調講演のなかで、Cerfは聴衆に幅広い話題を提供しながら、ブロードバンドを中心とした未来にさまざまな考えを巡らせた。
同氏は、次世代のインターネットが導入され、それによってさまざまな電子機器がネット対応になる日を心待ちにしているという。同氏は、たとえば目の前の画面をマウスでクリックし、「James Bondが映画のなかで開けようとしているのと同じシャンパンを注文」できるようになれば、どれほど素晴らしいだろうかと述べた。
Cerfは、映画業界の関係者にアプローチし、インターネットを新たな配給手段として捉えるように言ってきていると述べた。「こうした考えを前向きに受け止める者もいるが、一部の会社の法務部門ではいまだに理解に苦しんでいるようだ」(Cerf)
また、自治体が運営するブロードバンドネットワークに関し、さまざまな州や自治体がこれを違法化する提案を行ったり、実際にそのための措置を実施に移したりしていることを「問題視」していると同氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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