アラスカの製鋼所で働くCarlos Owensは、自宅の裏庭で体長5.5メートルのパワードスーツづくりを続けていたが、この巨大メカは、車を破壊したり、敵を威嚇するような歩き方をするわけではない。
この赤い鉄の怪物は、ガソリンエンジンの轟音を響かせ、油圧式の関節をきしませて、幼児のような心許ない歩き方をする(その手から炎を噴射することはいうまでもない)。これではまだ軍に売り込めるほどではないが、しかし少なくともその出発点には立っている。
Owensはこれまで2万5000ドル近い金額と2年の月日をかけて、このメカを手づくりで開発してきたが、しかし残念なことに、その作業も(少なくともこのバージョンについては)終わりを迎えることになった。改良の余地がほとんど残っていないと判断したOwensは、開発を中止して、このメカをeBayに売りに出すことにした。
ここ6カ月間は、Owensの断固たる決意を集約するような期間だった。この草の根発明家のプロジェクトは各メディアで称賛され、軍からは困惑させられる反応もあった。Owensは、Thomas EdisonやSteve Wozniakとはちょっと違うかもしれないが、疑いを抱く者を寄せ付けない性格の人たちとは気が合うかもしれない。
やや歩行に難のあるこの巨大メカの値段には4万ドルの値段が付けられている。休みも惜しみ、何年もかけて作り上げたこの巨大メカを売ってしまうのは悲しいが、ゼロからまた作業を始めるためには、それが唯一の選択肢だと、Owensは述べている。
「プロトタイプは手元に残しておきたかったので、eBayに売りに出すことだけはしたくなかった。しかし、これを残して次は作らないか、これを売って次を作る資金を得るかしか選択肢はなかった。目的を達成するためには夢をあきらめるしかないのだと思う」(Owens)
だが、輸送費だけで8000ドルもかかるため、これはだれもが気軽に購入できる商品ではない。Owensは、必要であればこれを自分が平床のトラックに積み込んで購入者に届けるという。自分にはそれ以外に選択肢がないのだという。
「すべてをつぎ込んだので、次の資金調達に役立つ資産はこれしかない」(Owens)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力