ドワンゴ、携帯電話向けラジオ放送事業に進出

永井美智子(CNET Japan編集部)2005年02月22日 21時51分

 ドワンゴは2月22日、パケット通信を使った携帯電話向けデジタルラジオ放送サービス「パケットラジオ(パケラジ)」を25日より開始すると発表した。同社の着信メロディ提供サイト「いろメロミックス」の会員向けに無料で提供する。

 パケラジは、パケット通信を使ってストリーミング放送を行うサービス。音声のほか、静止画やテキスト情報を複数のユーザーに同時に配信する。数万人が同時に視聴しても耐えられる設計という。サービスを利用するにはドワンゴのサイトから視聴用のアプリをダウンロードする必要がある。

パケラジのサービス画面例。倉木麻衣の楽曲や声と同時に静止画が表示され、上部には説明用の文章が流れる

 あらかじめ用意したコンテンツを流すほか、生放送も可能だ。ただしサーバ上の処理があるため、リアルタイムの配信ではなく30秒ほどの遅延が発生するという。アンケート機能や投票機能を備えており、ライブ感のある番組を提供することもできる。

 ドワンゴ代表取締役社長の小林宏氏は「コンテンツホルダーに対しては、新しい情報配信の手段を提供する。また、ユーザーに対しては、既存の放送コンテンツの焼き直しではなく、携帯電話ならではのコンテンツを楽しめるサービスを提供する」と話す。

 さまざまな種類の番組が流れるメインチャンネル、音楽専門の音楽チャンネル、生中継などイベント開催時に利用するイベントチャンネルの3つを用意した。メインチャンネルでは携帯電話で気軽に見ることを想定し、3分から5分の長さの番組を繰り返し放送する。音楽チャンネルでは、1曲まるごと流すのではなく、サビの部分など曲の一部分だけを流す形を取るという。

発表会場にはコンテンツを提供するサンズエンタテインメントの代表取締役、野田義治氏(左端)や所属タレントが登場した

 コンテンツを提供するのは、ビーイング/ギザ グループ、サンズエンタテインメント、ワタナベエンターテインメントなど7社。「コンテンツは無償で提供してもらっているところがほとんど」とドワンゴゼネラルプロデューサーの八木橋晃氏は話しており、コンテンツホルダーにとってはプロモーションの一環という位置付けのようだ。

 同社では、まずパケラジをいろメロミックスの会員向けの付加サービスという位置づけで開始し、認知度を高めて1年後をめどに独立したサービスにする考えだ。

 対応端末はNTTドコモのFOMA 900iシリーズ以降および700iシリーズ以降のFOMA端末と、KDDIのW21SA。大量のパケットを送信するため、ドワンゴではユーザーに対して定額制への加入を勧めている。「もしパケット割引プランに加入していない場合、5分間の視聴でパケット料金が数千円かかる可能性がある」(八木橋氏)

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