Apple Computerは米国時間14日、同社のiTunes Music Store(iTMS)ユーザーにちょっとした「マーチマッドネス」の購入チャンスを提供することを明らかにした。
ビデオ配信分野への拡大を続けるAppleは、その一環としてNCAAの男子バスケットボールの試合を販売する。対象となるのはDivision 1に属する63校のゲームで、試合翌日にダイジェスト版を公開していく。価格は1本に付き1ドル99セントで、すべての試合をカバーする「シーズンパス」は19ドル99セントとなる。同社は3月に入って、「Comedy Central TV」で放映されている番組や、NASCARレースのハイライト部分の一括販売を開始している。
ただし、NCAAトーナメントの模様を中継するのはAppleだけではない。同社は、従来のテレビ放送のほか、オンラインの他の情報源とも競合することになる。たとえば、CBSは以前、同トーナメントの多くの試合をネットで無料配信する計画を発表していた。
「われわれは生放送に取って代わろうとしているわけではない」とiTunes担当のバイスプレジデントEddy Cue氏はインタビューのなかで語った。「これはテレビの生放送を見逃した人向けのサービスだ」(同氏)
Cue氏は、NCAAトーナメントの多くの試合が人々の勤務時間中に行われていると指摘し、「試合の開始時間が午後1時だとすると、その時間に働いている人間は大勢おり、生放送を観る選択肢はなくなってしまう」とした。同氏はまた、無料のストリーミングビデオと異なり、iTunesではユーザーが購入した試合のビデオを所有・保存することが可能だと付け加えた。「これは試合中継のビデオを入手する素晴らしいやり方であり、ビデオを保有できるのはこの方法しかない」(同氏)
Cue氏は、iTunesから入手したコンテンツをApple製品以外のハードウェアでも再生可能にすることをAppleに義務付ける法案の審議がフランスで進んでいることについては、コメントを差し控えた。
Appleは2005年10月にiTMSで音楽ビデオやDisney傘下のABCが放映するテレビ番組、Pixarの短編映画の取り扱いを開始した。その後、iTMSではDisneyやNBCを含む他社の新作、旧作も販売するようになっている。
Appleは1月に、Bowl Championship Seriesの配信でスポーツ分野のコンテンツを手がけ始め、それ以来スポーツ放送局のESPNがつくる「X Games」などのコンテンツを提供してきている。また、最近販売を始めたボクシングの試合はビデオ販売の上位100位以内にランクインしていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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