American Online(AOL)は、インターネットを悪用する詐欺犯たちと激しい攻防戦を繰り広げていると述べている。しかし、一方で同社は、フィッシング詐欺やスパムからユーザーを保護するという同社の新しい取り組みに反対意見があることには無関心のようだ。
AOLやYahooは、会員に確実にメールを配信するために大口のメール送信者から料金を徴収することを計画しているが、MoveOn.org Civic Action、AFL-CIO、Gun Owners of Americaや電子フロンティア財団を始めとするNPOや市民団体はいっせいに猛反発している。
この計画は30日後に実施されることになっているが、反対者らは「電子メール税」と変わらないと述べている。電子フロンティア財団法務部長のCindy Cohnによると、電子メールの有料化は草の根組織の成長を阻害し、大量のメールを送信する組織を、大衆に意見を発信する余裕のあるエリート組織と、余裕がなく締め出されてしまう組織の2つに分けてしまうことになるという。
「名前の知られた非営利組織が注目を浴びているが、このような組織だけの問題ではない。活動を始めたばかりであまり資金もなく、支持者に自分達の主張を届けることができない組織はどうなるだろう。打撃を受けるのはこのような組織だ」とCohnは述べた。
しかし、偽の支援組織やフィッシング攻撃が多数発生し、募金の依頼に市民が懐疑的になっている現在、合法的な募金活動をしている組織はどこも打撃を受けているとAOLの広報担当者Nicholas Grahamは述べた。2005年に大被害をもたらしたハリケーンカトリーナの直後、募金を懸命に呼びかけていた赤十字の例は、これをよく物語るものだ。赤十字社は、善意の寄付をめぐり、多数の詐欺グループたちと争うことになったとGrahamは述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」