Microsoftは米国時間2月28日、同社のウェブブラウザ「Internet Explorer(IE)」のアップデート版を公開した。これは、カリフォルニア大学が支援する新興企業とMicrosoftとの間で争われている特許権侵害訴訟に対する防衛手段として講じられた措置である。
アップデート版では、ActiveXコントロールと呼ばれるウェブプログラムの処理方法が変更されている。この変更により、特定のサイトの表示の仕方に影響が出る可能性がある。Microsoftはウェブ開発者らに対し、ウェブページを微調整するよう勧告している。調整されないページの場合、消費者はMacromedia Flashベースのアニメやメディアコンテンツなど、一部のコンテンツにアクセスする際にマウスを余計にクリックする必要が生じるという。
Microsoftの広報担当は2月28日、「これらの変更による顧客エクスペリエンスやパートナーアプリケーションへの影響はほとんどないと、考えている」と語った。
MicrosoftがIEの修正を行う理由は、長期化しているEolas Technologiesおよびカリフォルニア大学との間の特許権侵害訴訟において、同社が法的責任を問われることを回避するためだ。2005年3月に連邦控訴裁判所が、Microsoftに対し5億ドル以上の損害賠償支払いを命じた下級審判決の一部を破棄して以来となる2回目の審理が年内に開かれる予定だ。
2005年9月には米特許商標庁(USPTO)が、この裁判で問題となっている特許権の有効性を支持した。
Microsoftは段階的にIEのアップデート版を提供している。同社は2005年12月に複数の修正を行うと発表し、その1カ月後に同社が運営する開発者向けウェブサイトであるMSDN上で今回と同じ内容のアップデート版を公開した。そして2006年2月28日からは、一般ユーザーもWindows Updateか、Microsoftのダウンロードセンターを通じてアップデート版を入手することが可能になっている。
今回のアップデートの対象は、Windows XP Service Pack 2およびWindows Server 2003 Service Pack 1上のIE 6だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」