調査会社のGartnerが、「Google Desktop」の最新ベータ版に「容認できないセキュリティー上のリスク」があるとして企業各社に注意を呼びかけ、Googleもそれを認めた。
Googleは米国時間2月9日、Google Desktop 3を公開した。同プログラムは無償でダウンロード可能で、複数のコンピューターからファイルを検索できるオプションを用意している。このオプションを使うと、ファイルのコピーがGoogleのサーバー上に最大1カ月間自動的に保管される。そして、コピーはユーザーの別のコンピューターに転送されて保管される。転送時およびGoogleサーバーでの保管時はデータが暗号化される。
Gartnerによると、企業にとってリスクがあるのは、Googleがこの共有情報を貯めておく仕組みの部分だという。データはリモートサーバーに転送され、そこに保管されてユーザー同士で最大30日間共有される。
Gartnerは16日に出したレポートで、知的財産が社外に持ち出される可能性があるため、「(データを)社外に転送するだけでも、多くの企業にとっては容認できないセキュリティー上のリスクになる」と述べている。
Googleは20日、同社がこのリスクを認識していることをZDNet UKに対して明らかにし、企業各社には対応策をとるよう忠告した。Googleの欧州市場マネージャーAndy Ku氏は、「これが企業にとって大問題であることは認識している。確かにこれはリスクであり、各社の懸念は理解できる」と語った。
GoogleはZDNet UKに対し、「Search Across Computers」機能を使うとデータが一時的に社外に転送されること、そしてこれが「電子メールを使うのと同レベルのセキュリティーリスク」であることを正式に認めた。
「理論上、いかなる知的財産でも社外に持ち出せてしまう。Search Across Computersにはセキュリティーに関して多くの懸念があることは理解しているが、ユーザーもしくは企業が(この機能を)選択して有効にしない限り、Googleが情報を保持することはない」(Ku氏)
Googleによると、どの企業も懸念するのがセキュリティーだという。「企業には、セキュリティー問題への配慮を負担する必要がでてくる。ただし、Search Across Computers機能は無効にできる」とKu氏は述べる。
Gartnerによると、規則やセキュリティーの制限事項に関する専門知識を持ち合わせているとは限らない社員の間で機密性の高いドキュメントが不注意から共有されてしまう可能性もあるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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