電通は2月20日、国内の総広告費と、媒体別、業種別広告費を推定した「2005年日本の広告費」を発表した。2005年(1月〜12月)の国内の総広告費は5兆9625億円で、前年比101.8%となり、前年比103.0%で4年ぶりの増加となった2004年に引き続き、前年実績を上回った。
媒体別に見ると、2004年に続きインターネット広告の伸びが高く、前年比154.8%の2808億円となり、総広告費における構成比は2004年の3.1%から4.7%に上昇した。また、BSデジタル放送などの増加で衛星メディア関連広告費も前年比111.7%に増加した。その一方、テレビ広告費は前年比99.9%に微減、新聞広告費も前年比98.3%と減少している。2004年の広告費でインターネット広告に追い抜かれたラジオ広告も99.1%と減少した。
電通は、インターネット広告の好調の理由を、インターネット利用者の増加、ブロードバンド回線の利用率の上昇などの接続環境の変化を受けて、媒体各社でも豊かな表現を可能にするブロードバンド対応の広告スペースの開発、販売が加速し、広告の単価が上がったことが売り上げの増加につながったとみる。また、モバイル広告も、接続速度の高速化と大容量化が進んだことで、Flashや動画、着うフルなどのリッチな広告展開が幅広く可能になったとしている。
また、2005年はインターネットCMによる広告収益獲得を目的とした無料動画放送サービスが相次いでスタートし、順調にユーザーが増加していることや、2004年に爆発的に市場を拡大したSEMが費用対効果を重視する広告主にとって重要な広告手法の1つとして完全に定着したことなども、市場の伸びに貢献していると分析する。
また、電通では2006年(1月〜12月)の総広告費の見通しも出している。2006年はサッカーワールドカップや冬季オリンピックなどのスポーツイベントが増加要因となり、前年比102.1%程度の増加を予測している。
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