New York Times紙が米国時間17日付の記事で報じたところによると、Amazon.comがデジタル音楽配信サービスに参入する準備を進めているという。iPodとiTunesを擁するApple Computerが、この市場で圧倒的な強さを示すなか、Amazonでは独自の携帯音楽プレイヤーを用意し、同様の既存サービスが抱える問題点を乗り切りたい考えだという。
同紙は、Amazonとの交渉に関わる音楽業界関係者の話として、この話題を取り上げているが、それによると、Amazonは家電メーカーと共同で独自の音楽プレイヤーを開発し、このサービスの契約者に割引価格で提供することを考えているという。この音楽プレイヤーには、楽曲がプリロードされて出荷されるほか、同社は契約者が過去にCDを購入している場合、その情報に基づいて楽曲のレコメンデーションを行う可能性も検討している。なお、このサービスの料金は明らかにされていないが、同種のサービスを提供するNapster、AOL、RealNetworksなどでは、1カ月あたり5〜15ドルの料金を設定している。
また、AmazonはCDの購入者に対し、そのデジタルバージョンを提供し、わざわざPCにダウンロードした楽曲を音楽プレイヤーに転送する手間を省く可能性も検討しているという。こうしたサービスを提供する場合の金銭的な条件については、まだ音楽業界との間で話がついていないと同紙は伝えている。
Microsoftの音楽フォーマットを利用した、オンライン音楽配信サービス各社は、ハードウェア-ソフトウェア間の使い勝手の問題や、ハードウェアの魅力度の点などから、これまで苦戦を続けている。また、Amazonの計画と同様の試みとしては、Napsterブランド向けにSamsungが製造した音楽プレイヤーの例があるが、これまで大成功には至っていない。
ただし、Amazonにはこれまでに蓄積した膨大な顧客データベースがあることから、これをてこに利用するという他社にはない優位点があるという声もあると同紙は述べている。
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