Bruce Sextonという24歳の大学生は、自分を含む多くの視覚障害者が、インターネットのおかげで今まで以上に自立した生活を送れるようになったと語る。
たとえば買い物をするにしても、実際の店舗に行って品物を探したり店員に尋ねたりする必要はない。代わりにキーボードと画面読み上げソフトを使って、ウェブで品物を探したり購入したりできるからだ。
でも、それは本当に可能なのだろうか。
先週、Sextonはある視覚障害者支援団体と共に、大手小売チェーンTargetのウェブサイトが目の不自由な人にはアクセス不可能で、米国障害者法を採用するカリフォルニア州法に違反するとして、同社を相手取った集団代表訴訟を起こした。
Sextonとボルティモアに拠点を置くNational Federation of the Blind(NFB)は、カリフォルニア北部にあるアラメダ郡高等裁判所に訴状を提出した訴状の中で、Target.comサイトには「視覚障害者のアクセスを、不可能とは言わないまでも困難にする阻害が何千も含まれている」と主張している。
たとえば、同サイトには、画像の部分にその内容を説明したアルト(alt)タグがないため、画面読み取りソフトが役に立たない。また、アクセス可能なイメージマップが無く別のページにジャンプできない。その結果、同サイトで特定の商品を探し出すことはできるが、しかしそれらの商品の価格を調べることはできないとSextonは説明している。
カリフォルニア大学バークレー校で学ぶSextonは、California Association of Blind Studentsの代表を務めている。同氏によると、Target.comにはあまりに障害が多いため、これまで一度もチェックアウトのページまで進めたためしがないという。また、原告側弁護士のMazen Basrawiは、たとえそこまで進めたとしても、さらに別の障害に直面することになると指摘する。その障害とは、マウスを使わなければ、注文が完了しないというものだ。Basrawiはカリフォルニア州に拠点を置くDisability Rights Advocatesの弁護士で、自身も視覚に障害を抱えている。
視覚障害者にとっては、マウスの使用が必要であれば、それだけ自分のいる位置を確かめることが難しくなると、Disability Rights Advocatesの別の関係者は説明している。
「視覚障害者はTarget.comにアクセスしても、目の見える人の助けをかりなくては何も買えない」とBasrawiは述べ、さらにウェブアクセシビリティに関する最低限の基準を満たしていない大企業のウェブサイトは数多くあり、Target.comはその一例に過ぎないと付け加えた。
この件について、Targetの広報担当者は10日、同社はまだ訴状の内容を目にしておらず、具体的な点についてはコメントできないとした。「しかし、われわれは視聴障害者を含むすべての顧客に商品やサービスを提供できるよう、精一杯努力することを心がけている」(同社の声明)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス