Microsoftは、ユーザーが無料で利用できるオンライン案内広告サービスの開発を進めている。このサービスを使えば、特定のグループや友人、一般のネットユーザーとの間で、イベントや売りたいアイテムなどに関する情報を共有できるようになると、同社は米国時間29日に明らかにした。
Garry WisemanというMSN製品部門のマネージャが、CNET News.comに語ったところでは、「Fremont」(開発コード名)というこのサービスは約1週間半ほど前からMicrosoft社内でテストが進められているという。このサービスがいつ一般に公開されるかについては同氏は明らかにしなかった。
「簡単にいうと、これは自由に使えるリスティングサービスだ。さらに、複数のソーシャルネットワークとも統合され、またMSN Messengerとの統合も強化されるなど、他にない仕掛けも数多く付属する」(Wiseman)
同サービスでは、リスティングの内容と関連性の高い広告が、検索結果と並んで表示されると、同氏は付け加えた。
Fremontのユーザーは、自分の掲載した情報を、MSNの検索ページのほか、独立したウェブサイトからも検索可能にすることができる。また、ユーザーはMSN MessengerやMSN Spacesの友達リストに登録された相手だけでなく、たとえば「microsoft.com」のような特定のドメイン名で終わる電子メールアドレスをもつグループの人間にしか情報を見られないように設定できると、Wisemanは説明した。
このサービスを使ってユーザーが公開する情報には、地理的な位置情報がタグ付けされる。そのため、MSNの提供する3Dの衛星写真を使った地図アプリケーション「Windows Live Local」(これまで「Virtual Earth」と呼ばれていたもの)上にも情報が表示されるようになるとWisemanは付け加えた。これらの情報を探す場合には、特定の地域を指定するだけでなく、自分のMSN Messengerに登録された人物からの情報だけを指定することも可能だ。
Wisemanによると、このサービスのコンセプトは2月に「案内広告のオンライン化を検討していた」際に生まれたものだという。「そこに膨大な市場が育ち始めていることは非常に明らかだった」(Wiseman)
そこで6人のチームが作られ、8月から本格的に開発作業を開始したと、Wisemanは語った。
Microsoftがこのサービスについて明らかにした2週間前には、Googleが「Google Base」という新しいサービスのベータ版を公開している。Google Baseには、売りたいアイテムやレシピなど、ユーザーがウェブで他者と共有したいと思うどんな情報でも載せることが可能だ。これに関して、情報筋の間では、Googleが同サービスを携えてオンラインの案内広告市場に参入するのではないかとの憶測が流れていたが、同社はこの可能性を否定した。
MicrosoftのWisemanは、「われわれは、誰もGoogle Baseのことなど知らないうちから、このプロジェクトを始めていた。Google Baseがやっていることも見たが、彼らがあれで案内広告市場を狙っているとは思わない」と言う。「Googleはあのサービスを自由に使えるデータベースと見なしており、われわれのように掲載された情報を分類する機能は提供していない」(Wiseman)
Microsoftのこのサービスは、新聞各社が提供する案内広告のオンライン版や、特定の都市にターゲットを絞りさまざまな情報を提供しているCraigslist.orgのようなサービス、さらにはeBayなどのオークションサイトとも競合することになる。
JupiterResearchの調べによると、米国のオンライン案内広告市場は2005年に26億ドル規模に達するが、2010年にはそれが41億ドルまで増加すると見られているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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