Googleが買収先の提供していたウェブ分析サービスを無料化したが、この切替に伴って一部の既存顧客がサービスを受けられないという事態が発生した。
Googleは米国時間14日、無料のウェブ分析サービスを開始した。企業はこのサービスを利用して、自社のウェブサイトにアクセスしたユーザーの行動や、広告キャンペーンの効果を正確に把握できる。このホスティングサービスは、Googleが3月に買収したUrchinの技術を利用したものだが、これまでこのサービスを使うは、1カ月あたり200ドルを支払う必要があった。
今回のサービス無料化は、Urchinの既存ユーザーにとってコスト削減につながるもので、移行は円滑に進むはずだったが、実際には一部でサービスが中断してしまった。Zventsの共同創業者でUrchinユーザーのEthan Stockは、無料サービスの開始後にサイトにログできなくなり、リアルタイムの分析データもまったく受け取れなくなったと、自身のブログで不満を訴えた。Zventsは、各地で開催されるイベント検索サービスを提供している。
「数時間かけてあちこちに連絡し、電話や電子メールでやりとりしたところ、向こう(Googleの顧客サービス)からログイン認証情報が送られてきた。ところが、やっとUrchinにログインできたと思ったら、データが全くなかった。跡形もなく消えていた。仕事で利用しているのに、いったいどうなっているのか。説明してもらいたい」とStockはブログに記している。
Stockは米国時間16日午前、分析データにアクセスできない状態が2日間も続いたことを明らかにした。データがないために業務が滞ることはないが、その間は、適切な運営に必要な貴重な情報が得られなくなっていたと、同氏は語っている。
「顧客から学び、資金調達を目指そうという新興企業にとっては、顧客の毎日の行動は非常に重要な情報だ。信頼性が低い無料のものより、有料でも信頼性が高いものを望む」(Stock)
Googleはこの件についてコメントしなかったが、移行時に問題があったことは認めた。
Googleは16日、電子メールで質問に答え、「Google Analyticsに対する需要が予想を大きく上回ったが、顧客レポートデータの消失はなかった。Google Analyticsサービスは完全に復旧しており、現在は全員にすべてのサービスが提供されている」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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