サンフランシスコ発--現在、書籍のデジタル化に関して、2つの取り組みがなされている。1つはオープンソースプロジェクト、もう1つはGoogleによるものだ。
少なくとも、非営利財団Internet Archiveが米国時間25日に開催したパーティでは、そのように思われた。パーティには、世界中の書籍をデジタル化し広範な利用を可能にするオープンソースプロジェクトに参加しているSmithsonian InstitutionやHewlett-Packard、Yahoo、MicrosoftのMSNといった、同団体のパートナー企業が集まった。
検索大手Googleも、図書館の書籍をスキャンして検索可能なインデックスを作る独自の計画を進めて注目を集めているが、これらの中核的なパートナー企業には名を連ねていない。
サンフランシスコに拠点を置くInternet Archiveの支持者は、こうした私的な取り組みに対する批判を展開している。2003年に同団体に300万ドルを寄付した慈善団体Alfred P. Sloan Foundationの幹部であるDoron Weberは、「わたしたちは、人類の英知をあまねくデジタル化しようと試みている。これを私有化させるわけにはいかない」と述べている。Weberはオープンライブラリ計画の教育的意図の重要性を訴え、私企業には「無謀な考えを捨て」、図書館には「将来を守る」よう呼びかけた。
それでも、パーティに参加したあるGoogle幹部は、あからさまな対立関係を気にすることはなかった。
GoogleのシニアプロダクトカウンシルAlexander Macgillivrayは、書籍スキャンプロジェクトの発表後、「(これは)実にすばらしい」と述べている。「2つのプロジェクトは補完的なもので、これが両者の戦いとして取り上げられるのは残念だ」(Macgillivray)
人々がインターネット上でアナログ情報を利用できるようにしようと試みる中、書籍のデジタル化はここ数年の注目事業となっている。学術研究やクラシック音楽およびポップミュージック、ビデオまでもがデジタル化された今日、次の対象は書籍というわけだ。
Googleは10カ月前、ハーバード大学やスタンフォード大学、デジタル化された著作権および著作権切れの書籍を所有するその他の組織との提携を発表し、同時に大規模な書籍デジタル化計画を打ち出して人々の耳目をひいた。また2004年には、Amazon.comもみずからのウェブサイトでデジタルブックコレクションを公開し、パートナーシップを結んでいる出版社の人気の高い作品をデータ化すると述べている。Amazonサイトのユーザーは、「書籍の内容を検索」し、結果を表示させることができるようになっている。
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