米国のBush大統領は、今週行われた欧州委員会(EC)のJose Barroso委員長との会談で、インターネット支配権に関する話題を切り出した。これは、これまで目立たなかったインターネットに対する支配権に関する議論が、注目を集め出したことの表れといえる。
このトップ会談は18日、ホワイトハウスで行われた。会談の中でBush大統領がインターネットに対する支配権の話題に触れた背景には、現在米国が、インターネットの主要な側面に対する米国の影響力を弱めるよう要求する第三世界の国々からの反発にさらされているという事情がある。ECは最近、11月に開催される国連サミットで議論される予定の改革案の1つを支持すると発表した。
米国務省の大使で同省の国際通信情報政策コーディネータを兼務するDavid Grossは20日、「われわれが合意点を見出したいと考えているのは明白であり、われわれはサミットの成功を祈っている。しかし、合意に至るためにわれわれの原則を曲げるつもりはない」と語った。一方Grossは、詳述は避けたものの、BushとECの見解について議論したことを明らかにした。また米政府もこの件についての詳述は避けた。
この国際的な政治的論争の核心にあるのは、インターネット誕生以来の遺産であるインターネットアドレスやトップレベルドメイン名のマスターデータベースに対して米連邦政府が持つ唯一無二の影響力だ。例えば、Bush政権は最近、ポルノ製作者向けの赤線地帯として「.xxx」ドメインを設置する案に対し異議を唱えたが、これは他国の政府は行使できない米国政府にのみ与えられた拒否権の一例だ。
これまで国連が主催した一連の会議では、中国やキューバなど数十カ国の閣僚が異議を唱え、米国以外の国々の影響力を強化するよう求めた。しかし、言論の自由の擁護者や企業グループは、仮に中国やキューバなどの国々のインターネットに対する影響力が強化されれば、将来、それらの国々で電子商取引に対する規制が強化されたり、電子商取引を敵視する風潮が高まるのではないかと懸念している。例えば、業界団体のCompTIA(コンピュータ技術産業協会)は、国連による支配の拡大よりも「市場を基礎として解決を図る」アプローチを支持すると主張した。また「.uk」ドメイン(英国の国別ドメイン)を管理するNominet UKも同様の見解を示した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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