ビデオカメラを使った映画の違法録画を阻止する目的で新しく制定された米連邦法が、初めて適用された。
連邦検察によると、Curtis Salisbury容疑者(19歳)は米国時間26日、ミズーリ州セントルイスの映画館内でビデオカメラを使って映画を録画し、その映像をインターネット上で配布した罪を認めたという。
検察官とSalisburyとの司法取引によると、映画館のチケット売り場に勤務していたSalisburyは今年6月、営業時間外に他の数人と共に映写室に侵入し、ビデオカメラとオーディオレコーダを使って、映画「The Perfect Man」と「Bewitched(邦題:奥さまは魔女)」の2本をテープに録画したという。量刑は2006年2月27日にカリフォルニア州サンノゼの連邦裁判所で言い渡される予定。
Salisburyは、Family Entertainment and Copyright Act(家庭娯楽・著作権法:FECA)に基づいて起訴された最初の人物となったようだ。FECAは今年4月、オンライン著作権侵害を阻止する目的で、米議会で可決された法律である。同法には、「オーディオビジュアル録画機器」を使って映画館内で映画をテープに録画した者は25万ドル以下の罰金または3年以下の懲役に処すとの規定がある。また録画した映像をインターネット上で配布した場合は、さらに刑罰が追加される。
米司法省は詳細を明らかにしていないが、カリフォルニア北部地区米連邦検事局の広報担当者によると、Salisburyの逮捕はサンフランシスコ地区内で行なっていたおとり捜査の成果だという。Operation Copycatと呼ばれるそのおとり捜査の結果、今夏だけで4人が起訴された。Salisburyの録画映像は、他の映像と共に、サンフランシスコのベイエリアにあるサーバに送られた。
映画製作会社の業界団体である全米映画協会(MPAA)は、今回の政府の発表を歓迎した。MPAAのバイスプレジデントで元司法省職員でもある、John Malcolmは、「映画に対する著作権侵害行為の撲滅に向けた米連邦検事局とFBIの取り組みに感謝したい」と述べ、さらに「著作権で保護された(映画)作品を守るためのわれわれの戦いでは、捜査当局が増加傾向にある映画を対象とした著作権侵害行為に注目することが極めて重要だ」と語った。
議会でFECAを支持したLamar Smith下院議員(テキサス州選出、共和党)も今回の発表を歓迎した。Smithは「この有罪判決は、米国のクリエーターたちにとって大きな勝利であり、知的財産権の窃盗は決して許されないという著作権侵害者たちへの警告だ」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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