Googleがパーソナルコンピューティング分野を支配するMicrosoftにとって、本物の脅威となりえるかどうかをめぐって、現在ウェブ上で議論が白熱している。
先週末に、さまざまなブログや掲示板では、コンピューティングが近い将来どう進化するかという話や、ウェブが主要なコンピューティングプラットフォームとして使われるようになれば、Microsoftのような企業は恐竜と同じ道をたどるのか、といった話題が論じられていた。
Microsoftは、過去にも何度かこのような劇的変化の可能性に直面したことがあった。最も古いところでは、1995年に書かれたあるメモの中で、ウェブが次世代プラットフォームになる可能性があることや、この分野で技術革新を進めなければ、Microsoftが市場をコントロールする力を失う可能性があることに対する同社幹部らの懸念が明かされていた。だが、Googleがさまざまなサービスを登場させつつあるなかで、業界観測筋のなかにはこうした可能性が現実化しつつあるのではないかと考え始めた者もいる。
この議論に加わった多くの人々は、そのような転換の時が来たと述べている。これらの人々の考えでは、ウェブがアプリケーション開発でさらに重要な役割を担えるまでに成熟したという。しかし、一方には、ブロードバンドの普及が世界的に進んでいるわけではなく、そのことがこうした変化の妨げになっていくだろうと見る向きもある。
現在のウェブ技術でも十分存続可能なプラットフォームになり得ると感じる人でさえ、どの誰がこれを主流にするかという点ではは意見が分かれている。
Googleは若く、革新的な企業で、パーソナルコンピューティングのプラットフォームをオンラインへと導くようなWebサービスに主眼を置いていると各方面から見られている。そして、ブログの世界では、Microsoftをとうのむかしに盛りを過ぎた企業として捉える意見が数多く存在することも確かだ。
しかし、Microsoftは一般に言われているよりも動きが素早いと感じている人は多い。同社は目の前の課題を理解しているだけでなく、ビジネスを熟知しており、開発スキルも備えている--そして、おそらく最も重要な点は、新しい戦略を進めるための資金を持っている、とこれらの人たちは考えている。
以下は、この件に関してウェブから集めた意見の一部だ。
「ウェブシステムは、ここ10年で確実に堅牢になった。2005年には、MicrosoftがGoogle(WebMachineを展開する可能性が最も高い)を、同社がずっと恐れてきた大きな脅威として捉えるまでになった。これを受け、MicrosoftはWindowsの開発を行うプラットフォーム製品開発グループにMSNを統合した。これがどのような結果を生み出すかはもう少し時間が経たないと判断できない。だが、1つだけ確かなのは、MicrosoftではウェブとWindowsが対等の立場に立ったということだ。Ben Slivkaという自社の優秀なエンジニアが1995年5月に描いたこの運命に従うまで、同社は10年の月日を要した。しかし、それだけでWebMachineの勢いは止められるのだろうか」
--Read/Write Web
「ユーザーが毎月料金を払って計算作業を行うなどと信じているのだろうか。ソフトウェアやデータを手元に置かず、料金を払ってこれを使うなどと信じているのだろうか。シンクライアントは中身のない大ボラであり、これを数年以内に実現するための技術は全くそろっていない」
--Qwerty
「Microsoftにとって、(Officeのような)ウェブベースのアプリケーションサービスを提供することは願ってもないことだろう。これにより、エンドユーザーや違法コピーの問題をもっとしっかりコントロールできるようになる。しかも、大量にメディアを用意したり、それを流通させるコストも不要になる」
--Garcia on Slashdot
「ライバルは入れ替わる。Appleは復活しつつあり、Oracleも譲らない。Googleはこれからが楽しみだが、Sunの話題はここ数年聞かなくなった。GoogleはMicrosoftにとって他社よりも大きな脅威なのだろうか。おそらくそうではないだろうし、AOLもいる。同社も絶頂期には、保有現金やシェアの点で今のGoogleを上回っていた」
--David Workman
「Microsoftは終わっていて、Googleが世界を自分のものにしており、Appleは世界をデザインしているだって。本当にそんなことを信じているのか。もしかしたら、1989年にはAppleが倒産すると言っていたのと同じヤツではないか」
--Scobleizer
「Microsoftがプラットフォームとしてのインターネットという競争上の脅威にどう対応していくかという点でMSNに多くの注目が集まっているが、しかしMSDN(Microsoft Developers Network)を忘れては困る。MSDNは、刷新されたサービス開発/導入戦略にMicrosoftが開発者やISVを縛り付けるための主要情報源のはずだ。だが、コードや白書、そして(「RSSフィードの作成方法」といった)資料などのダウンロードデータであふれるMSDNポータルには、サービスとしてのソフトウェア関連のサポート資料が今のところ全くといっていいほどない」
--ZDNet Between the Lines
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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