MicrosoftのMSN事業部は米国時間26日、Googleの成功を収める広告宣伝プログラムへの対抗措置として、有料検索広告プログラムをフランスで立ち上げ、米国でも来月からこのシステムのテストを開始する計画であることを明らかにした。
先月末にシンガポールでデビューしたこの「MSN AdCenter」を利用すると、広告主はターゲットを細かく絞ったオンラインキーワード検索ベースの宣伝キャンペーンを打つことが可能になる。ターゲットにする顧客を地域別、性別、そして年齢別に取捨選択したり、日時を限定して広告を表示させることも可能だ。
同システムはGoogleの「AdWords」プログラムと競合し、いずれはMSNがYahooに外注しているキーワードベースの広告プログラムに取って代わることになる。そのユーザーインタフェースはシンプルで、MSNが900万人以上の加入者から集めたデータを活用したその顧客プロファイル手法も注目に値する。
MSNのEric Hadley(広告/マーケティング担当シニアディレクター)は、「競合サービスではキーワードを購入するが、われわれの方はキーワードを検索する人のタイプまで細かく指定できる。(広告の)購入を対象者のタイプに基づいて計画することができ、『このようなタイプの人にはこれだけ支払い、このようなタイプの人は対象に含めたくない』といった指定が可能になる」と語っている。
MSN AdCenterでは、特定のキーワードを検索すると思われる顧客の想定プロファイルを提供し、予算計上のための見積もりや、キャンペーンの成果を見るためのクリックスルー率などの分析データも出している。MSNは、毎月4億2000万以上のユニークビジターを謳っている。
Hadleyによると、MSNはいずれこのサービスを拡大し、広告主がウェブサイトにターゲット広告を表示できるようにする計画だが、これがGoogle AdSenseと競合するようになるという。
Yahooの広報担当Jennifer Stephensは、同社がMSNと結んだ契約が2006年6月で切れることを明かしたが、それ以降のMSNとの関係についてはコメントを控えた。同社は、キーワードベース広告の草分けであるOverture Servicesを買収している。
Googleはこの件に関するコメントを控えている。
Ask Jeevesのある幹部は、広告主がポータルや検索ウェブサイトごとに異なる顧客に訴求できることもあり、MSNとの競合は懸念していないという。同社は、先ごろInterActiveCorp(IAC)に買収され、約2カ月前に自前のキーワードベース広告プログラムを立ち上げている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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