フランスのメディア監視団体、Reporters Without Bordersは現地時間6日、中国政府が国家機密情報漏洩の罪でジャーナリストを逮捕した事件で、Yahooが提供した情報が手がかりになっていたことを明らかにした。
Reporters Without Bordersの声明文によると、Dangdai Shang Bao(Contemporary Business News)に勤務する37歳のジャーナリスト、Shi Taoは今年4月、10年の刑を言い渡されたという。Shiが自社に送られてきた中国政府の「最高機密」メッセージを外国のウェブサイトに漏洩したためだ。
香港にあるYahoo Holdingsが提供した情報を元に、中国捜査当局は、Shiの個人用電子メールアカウントや「国家機密」を含んだメッセージを、ShiのPCのIPアドレスと結びつけていたことが、最近翻訳された法廷文書により明らかになったとReporters Without Bordersでは述べている。
国家機密とは、Shiの勤務するDangdai Shang Baoに送られた中国政府の警告で、大安門事件15周年を記念して反体制的なことを行うジャーナリストに対するものだった。Shiはその電子メールを送信した事実を認めたが、これが機密情報だったかどうかに関しては、異議を唱えている。
「検閲の問題で、Yahooが以前より積極的に中国政府に協力していることは知っていた。今回の件で、Yahooは中国警察の情報提供者でもあることが明らかになった」とReporters Without Bordersは声明文で記している。
Yahooの広報担当者は、この件については調査中で、すぐにはコメントできないと述べた。
このところ、Yahooと同社のライバル、MicrosoftとGoogleの3社は、巨大市場中国での足場拡大を狙っていちかばちかの戦いを展開している。
つい先月には、Yahooが10億ドルを投資して、中国最大といわれる電子商取引サイトを運営するAlibaba.comの40%の株式を取得した。GoogleとMicrosoftはワシントン州の裁判所にて、元Microsoftの従業員で同社の中国オフィス立ち上げを行ったKai-Fu LeeのGoogle転職を巡って争っているところだ。Googleは、Lee雇用により、中国での地位拡大を狙っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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