一般の顧客にデジタル音楽を販売してもらうサービスが立ち上がりつつある。これは、個人が自分のウェブサイトで楽曲を販売し、手数料を稼げるというサービスだ。
こうしたサービスは、「ストリートチーム」という、昔からあるプロモーション手法から着想を得たものだ。音楽ファンがレコード会社からの依頼に基づき、アーティストやアルバムを同世代の人達に宣伝する手法のことだ。オンライン版の口コミマーケティングでは、アーティストのファンたちに楽曲を販売する権限を与えることで、より高い成果が得られると、この市場を狙う新興企業各社は考えている。
2005年末までにサービスを立ち上げようとしている新興企業BurnLoungeのプレジデントRyan Daddは、「今耳にしたばかりの音楽のCDを買おうと、若者が車に乗り込み、CD店に行ったかどうかを確認することは、これまで不可能だった。そこで、熱心な音楽ファンと組んで、一緒にビジネスをすることを思いついた」と語った。
このデジタルサービスは、レコード業界のストリートマーケティングという、従来から存在するマーケティング手法と、Amazon.comのアフィリエイトプログラムに代表されるようなEコマースの世界での手法を組み合わせたものだ。
もっとも、こうしたサービスはデジタルダウンロードサービスの世界に既に存在している。音楽配信サービスをリードするApple ComputerのiTunes Music Storeも、アフィリエイトプログラムを提供する。同社のアフィリエイトプログラムでは、プログラム参加者のサイトからの訪問者が商品を購入した場合、売上の5%を手数料として、参加者に支払っている。
しかし、最近の企業はより直接的に、リスナーをマーケッター、あるいはリテイラーに変えようとしている。
新興企業PassAlong Networksは、eBayでデジタルダウンロードストアを既に運営しており、Windows Media Player内のバナーから自社のオンラインストアにリンクを張っている。
同社は顧客に対し、お気に入りの楽曲やプレイリストへのリンクを知り合いに転送するよう勧める。このリンクを受け取った人が同社から楽曲を購入するたびに、リンクの送り手にポイントが送られる。顧客は、このポイントを利用して、PassAlongの楽曲の購入に利用できる。
一方、BurnLoungeは、レコード会社のファンクラブや、マーケティング企業に焦点をあてたビジネスモデルを描いている。同社では現在、技術的な知識が無くても楽曲の販売やクレジットカード決済、デジタル音楽配信が可能なウェブサイトを作成できるインフラを音楽ファンに提供することを計画しているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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